バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

バンコクの古本屋 本日の成果

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さて、気がつくと

ふと足を向けてしまうバンコクの古本屋さん

 

日用品の買い物をした後だったので

結構すでに荷物が重いんですが・・・

 

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アイリッシュの「裏窓」、

こちらはヒッチコックの映画版のほうが良いかも。

 

youtu.be

 

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うん、これはもう読んだかな?

でもOKOK、桐野夏生のこの頃の作品は

何度読んでも良し。

 

もう止めないと、バッグに入りきらないな・・・

オールタイム恋愛映画ベスト 「アパートの鍵貸します」

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ラブ&ロマンス映画

実はあまり観ていません。

無意識に避けたりしていて。

 

理由?

あまりにシンプルですが

若い時分(今でもですが)モテなかったからでしょうね。

「俺には縁の無い世界の話なんだ」

とひがみ根性がありあり。

 

だから美男美女がどんなに情熱的な恋愛物語を

繰り広げても、なんの感慨も湧かないという。

 

しかしこの作品は例外。

あまりに良く出来ているので

(脚本、撮影、演技全て)

何度でも観返しまちゃいますね。

 

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ニューヨークの保険会社に勤めるジャック・レモン

大部屋勤務の平社員ですが、

 

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上役連中の”浮気用ルーム”に自分のアパートの部屋を提供して

点数を稼いでいます。

 

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そんな彼が好意を寄せているのが

エレベーターガールのシャーリー・マクレーン

 

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ところがなんと、自分の部屋を使っている上役の一人が

彼女を愛人にしていたのです。

 

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将来に希望を見出せない彼女は上役が帰った後に自殺を試みます。

その後、部屋に戻ってきたジャック・レモン

アパートの隣室に住む医者夫婦の力を借りて、彼女を懸命に介抱します。

 

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そんな彼の実直な態度に、彼女の傷ついた心が癒されていきます。

 

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上役に媚びへつらうことで手に入れた昇進、今や彼の仕事部屋は

大部屋ではなく広々とした個室です。

 

しかしそんな自分に嫌気が差し、会社を去り

アパートを引き払う準備を進めます。

 

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引っ越し準備を進めていると、そこにやってきたのは

上役との関係を清算したシャーリー・マクレーン

驚くジャック・レモンを相手にトランプを始めます。

何か言いかけるジャックに一言。

 

「黙ってカードを配りなさいな」

 

うーん、これが映画の見本だ!

という完璧な構成であります。

主役の二人があまりにハマり過ぎていますし

脇役の出し入れがこれまた最高。

 

名匠ビリー・ワイルダーの1960年作品、

数多くの傑作を送り出してきた人ですが

一番脂がのっていた時期の「永遠の1本」

ですね。

 

本年87歳 ショーターは空に船を浮かべ、銀河宇宙を遊泳する

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1980年代中頃から立て続けに発表された

ウェインの三部作。

これがまた実に評判が悪い、評価が低い。

音楽専門誌でもほぼ、ボロカスに扱われていたと記憶してます。

 

確かに、シンセとか打ち込み多用で

「これほど名声が確立しているミュージシャンが時流に色目など使って・・・」

と受け取られた面があったんです。

 

youtu.be

 

でも良く聴けば、単なるフュージョン系の音楽とは

全く違うレベルであることが分かるんですけどね。

曲の構成が相変わらず独特&複雑ですねえ。

 

youtu.be

 

様々な音楽スタイルを追求してきたショーターですが

2000年代に入ると、ピアノ、ベース、ドラムスのメンバーを固定して

ベーシックなフォーマットに回帰します。

 

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しかしそこはショーター、

懐かしの名曲をただムーディーに、なんてことは全く無く

プレイがよりプログレッシブに展開していくのですね。

ここが他のミュージシャンと一線を画しているところです。

 

youtu.be

 

もう夢幻の境地。

このメンツでの日本でのライブにも行きましたが

彼の周りだけ漂う空気が違ってましたね。

 

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今年で87歳を迎えるウェインですが、

どうぞ、いつまでもお元気で・・・

貴方の音楽で、それこそ人生が変わった人も居るのですよ。

 

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霧深い風景、野生の花々と奇妙な影、そして魔女の火刑・・・ウェイン・ショーターの世界

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ウェイン・ショーターのスピーク・ノー・イーヴル(65年)

 

私が聴いてきたジャズのアルバムでトップ、ナンバー1の作品です。

もうこれで決まり。

 

演奏や録音が完璧なのは勿論

作品全体を覆うムードが尋常ではありません。

 

”教室に掲げられている博士たちの肖像、彼らが死体の上で仕事にとりかかろうとしている・・・”(ライナーノーツより)

 

youtu.be

 

およそ、このような(普通ではない)視覚的なイメージをもとに

曲作りをするジャズ・ミュージシャンは居ません。

ウェインだけの世界観です。

 

既にマイルス・デイビスのバンドメンバーになっていた時期の録音で、

これからの数年間、マイルスが唸るほどの名曲を

提供していくことになります。

 

youtu.be

 

70年代には人気グループ、ウェザーリポートで活躍。

でもバンド内では、ジョー・ザビヌルのほうが目立っていましたね。

 

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この時期では珍しいソロアルバムのネイティブ・ダンサー(74年)は

ブラジル音楽の巨匠、ミルトン・ナシメントとの共演盤でした。

 

youtu.be

 

ウェインの作品のなかではもっとも親しみやすい1枚で

人気がありますね。

 

そして1980年代に入り、50代を迎えたウェインですが

ここから更に独自の WAYNE'S WORLD が

展開されることになるのです・・・

(続く)

タイで車やバイクの運転? うーん、お勧めはしかねるね・・・

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タイは車大国なんです。

タイの人は家より先に車、です。

 

でも外国人の運転は、気をつけたほうがいいですよ。

出来ればしないほうがベター。

交通事故も多いし、実際知り合いのタイ人でも

(子供含めて)、悲惨なケース見聞きしてますから。

 

パタヤとかのリゾート地ではレンタルバイクがポピュラーで

気持ちよく飛ばしてる欧米人とかよく見かけますけどね。

気持ちは分かる、海岸沿いとか爽快感あって最高だろうね。

 

私の知り合い(日本人、その他の外国人)で車やバイクを常時

運転してる人も居るんですが、そういう人は

テクニックがあるんですよね。

同乗させてもらって、危ない感じが全くしない。

平均的なタイ人の運転技量よりはるかに上。

だから、OKな人はOKなんでしょう。

 

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しかし、交通事故以外にも

色々面倒なことあるんじゃないかなあ。

 

 そうはいっても生活上必要な場合もあるでしょうし、

(地方に行けば、車が無いと非常に不便なのはタイも同じ)

やむを得ず、という事態も起こりえるかもしれない。

 

そういう際には

どうぞ細心のご注意を・・・

続・旅の終わり

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ビルマミャンマー

 

「それで、どうやって旅してたんですか?」

先日、二回りほど年下の知人と

旅行について話をしていて、

そう聞かれました。

 

つまりネットで情報も集められない、航空券や宿の予約も出来ない~

そんな時代によく、個人で海外旅行なんか行けましたね、という質問。

 

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ギリシャ

 

行く価値があるか無いのか、決め手に欠けるだろう

行ってつまらなかったらどうするんだ

ということなんでしょうね。

 

そう、確かに昔は”行かないと”分からなかったんです。

ガイドブックはありましたけど基本、文字主体。

事前に得られる視覚的なイメージというのは非常に限られてました。

 

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~フィリピン

 

だから、出かけたんですけどね。

分からないから、予想が出来ないから。

 

今は例えば、一軒のホテルについても膨大な量の画像、動画があるでしょ。

周辺の見どころとかMAPも超充実。

 

でもそれじゃ、行く前にもう”分かっちゃってる”じゃないですか。

だったらわざわざ身体使って

現地まで赴かなくてもいいんじゃない?

 

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 ~エジプト

 

ネットの口コミより上だ、下だ

掲載情報が合ってる、間違ってる・・・

それを調べる調査員の出張みたいだよね、

旅行というよりも。

 

かと言ってあえて、それらの情報に目をつぶってというのも

いまや不自然。

旅人を受け入れる側も、もう意識や態勢が違うわけで。

 

ということで、やっぱり私の「旅」はもう

打ち止め、ですねえ。

あちこち行っておいて良かったなあ・・・

それは凄く得難い日々だったんだ、と今にして思うわけですが。

 

いやいや、

OLD WAVE の繰り言で、ごめーん、ごめーん

 

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カンボジア

 

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アメリ

 

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トム・ウェイツのナンバーですが

良い仕上がりですね。

これがJAPANだ NIPPONだ、日本人なら涙腺崩壊「おかあさん」再び成瀬監督作品

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1952年制作の「おかあさん」

これは一家に一本の名作であります。

 

邦画の傑作は「七人の侍」や「切腹」「雨月物語」などでしょう。

この「おかあさん」には漲る緊張感とかスケールの大きさはありません。

しかし俗にいう”ウェルメイド”~構えはデカくないけど小粋に仕上げられた

逸品なのです。

 

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主演は田中絹代

映画の冒頭シーン「うちのお母さんは小柄なので、柄の長い箒は嫌いなのです」

というナレーションからして、掴み良し。

 

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一家はクリーニング屋さん、生活ぶりは楽ではありませんが

家族揃って、助け合い

暮らしています。

 

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長女役に香川京子、彼女に想いを寄せる近所の青年は岡田英次

二人とも若い!

 

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しかしお父さんと長男が亡くなってしまいます。

この映画が上手いのは、その辺りを長々と描かないところ、

そうするとウェットになり過ぎてしまいますから。

まさに”省略の美”ですね。

 

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お父さんの知り合いだった男性(加東大介)が店を手伝ってくれるのですが

やはり生活は苦しく。

それにしても加東大介の演技は天下一品!

 

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次女はやむなく親戚の家に貰われていくことに。

演じていたのは榎並啓子という人で、溝口健二の「山椒大夫」にも

出ていました。この娘の顔の表情とかも素晴らしいですよ。

 

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貰われていった家では温かく迎えてくれるのですが、

どうしてもおかあさん~田中絹代のことが忘れられずに

おかあさんの絵を机の横に貼ろうとします。

 

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でもそれでは新しいおかあさんやおとうさんに悪い・・・

そっと絵をはがして、机の中にしまいます。

 

素晴らしい名場面、後ろからのアングルというのが憎いですね。

こういう時に正面から顔を映してはアウトです、興ざめです。

この辺りが成瀬巳喜男たる所以ですねえ。

 

随所にお茶目なシーンも散りばめられていて

ベタベタした重さがないのも流石。

 

何十回観ても飽きませんよ。

未見の方は本編を是非是非。

 

ティシューが手許にあったほうがいいですね。