バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

昔の映画は ”古い” のか? 1952年製作の ”現代人”

友人と映画の話をしていると

 

”ねえ、あなたいくつ? あなたの言ってる映画って50年前とか下手すると100年前だったりするじゃない。一世紀よ、一世紀前ってもう歴史上というか昔すぎてイメージ湧かないわ”

 

なんてよく呆れられるんですね。

なので、

*私の歳は100歳以下である

*初めて観る映画はいつ作られたものであろうと「新作」と思っている

と答えるようにしてるんですけどね。

 

新しいか古いかみたいなことでいえば

多分、数年前の製作でも古臭く感じちゃうんじゃないかな。

服のモードとか電化製品とか短いサイクルで変化しちゃうから

観てて、いちいち気になっちゃうでしょう?

 

映画の面白さは脚本というベースがあって

監督、スタッフ、役者さんの総合力~

その仕上がり具合が見どころなんで、

製作年の新旧について、私は拘りが無いんですね。

(苦手なジャンルというのはありますけれど)

 

あっ、すいません

繰り言はこれくらいにして。

こんなふうにブツブツ言うようになると

お迎えも近い、ということですわな。

 

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手許に一冊、古い文庫本がありまして。(1974年発行)

戦前から戦中にかけての日本映画が紹介されています。

著者の方はご自身が脚本家なんですね。

なので、往年の数々の監督さんの素顔などにも触れられていて

興味を惹きます。

 

さてこの猪俣勝人という方が脚本を手掛けた

”現代人”(監督・渋谷実/1952年)という作品があります。

 

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建設省に勤める上司と部下に

山村聡池部良

東大&立教卒の高学歴コンビ。

 

この二人を建設会社社長の多々良純

ずぶずぶの汚職ワールドに引き込んでいきます。

 

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損得で動く登場人物が多い中での清涼剤が

山村の娘、小林トシ子

 

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彼女の心配をよそに

事態は悪いほうへ進行していきます。

 

バーのマダムに山田五十鈴

まさにハマり役です。

 

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店での池部との丁々発止のシーンは見ごたえあり。

 

全体の印象としては社会派作品というより

人間関係の絡み合いに焦点が置かれた愛憎ドラマ

という感じでしょうか。

 

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後年、池部良

”自分の演技開眼のきっかけとなった思い出深い作品だ”

と振り返っています。

 

しかしそれにしても

最近、日本の国会で同様の問題が

色々と追及されているようですね。

この手の話は昔も今も変わりがない、

ということなのでしょうねえ・・・

IS THE SUMMER REALLY OVER~気軽なタイ旅行の日々はもう戻らない?

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去年の今頃までは、

ふと思い立ったらタイに行っていた

それこそ毎月のように行っていた

そんなタイ好き~リピーターの方もいらっしゃることでしょう。

 

いつになったら

そんな日々が戻るのか・・・

 

今日はそんなことをつらつらと考えてみましょうかね。

ごく普通の短期間~数泊程度の日程ということで。

 

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まず一番大きな障壁は

タイ到着後の隔離、これが無くなりませんとね。

 

今は2週間~15泊16日の強制隔離となっています。

空港から専用車両で施設(ホテル)に直行です。

外出はもちろん出来ませんよ。

最近はゴルフ場でのプレイ付き、なんてのも登場してますが

自由に行動出来ないことには変わりありません。

 

理想をいえば完全撤廃ですよね。

例え隔離期間が半分くらいになってもダメ、

それで休暇が終わっちゃいますから。

 

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あと費用面。

コロナ以前はタイ旅行ってリーズナブルでしたよね、

航空券も宿代も。

現状はですね、2週間の隔離自体は受け入れたとしても

非常に経費がかかるようになっています。

色んな書類も用意しないといけない。

コロナ対応の保険加入も必須。

 

手間が無茶苦茶かかるうえに、以前の何倍も旅行費用がかかるのでは

やはり現実味が無くなってしまいます。

そこまでしてタイに来る人はごく限られるでしょう。

(赴任を命じられた、タイ人家族が居るなどのケース)

 

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で、身も蓋もない&夢も希望もない

というのは大袈裟ですが

まったく以前と同じ姿には、タイ旅行

戻らないのではという予感が・・・

 

今のルールではおよそ通常の観光客は来れませんので

各種ハードルは段階的に低くはなると思います。

でも、

 

なんらかの手間

なんらかのコスト増

なんらかの不自由(隔離/移動制限など)

なんらかのサービス低下(交通手段の減便、機内/現地での飲食、各種観光など)

なんらかの不安定要素(入国条件の突然の変更、規制強化など)

 

こういったものを受け入れないと

いけないでしょうね、今後は。

 

頻繁に来ていた方は辛いと思いますよ。

定宿とかお気に入りのレストラン、タイマッサージ店舗などが

クローズ~消滅している可能性もありますし。

顔なじみになったスタッフや店員さんの入れ替わりも相当

進行しているでしょう。

 

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あと、個人旅行で来ていた方は

旅先でのプライベート感覚を

楽しんでいた人も多いのではないでしょうか。

なるべく周囲に知られずに

タイでのちょっとした秘密の数日間を満喫するといった。

 

今後はこういう部分も失われてしまうでしょう、残念ですけど。

PCR検査やワクチン接種履歴から始まって

入国時から帰国までの逐一の行動追尾システムに

ガッチリ組み込まれていくこと必至です。

拒否するとホテルにチェックインも出来ないし

デパートで土産物も買えない。

”夜の街”をお忍びで・・・といったアバンチュール?も

すっかり過去の風物詩に。

 

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唐辛子のカプサイシン

ウイルス無毒化の効果があることが証明されるとか、

パクチーでもナンプラーでもファクターはなんでもいいから

ウイルスが一斉に世界から自然消滅する

そんなミラクルが起きればいいのですが・・・

 

でも予想だにしなかった悪いことが起きたんだから

その逆に良いことが起きてもいいですよね。

少なくともそう願いたい、期待したい。

 

あの自由でお気楽だった

サバーイサバーイ&マイペンライ

タイ旅行が

どうぞ復活しますように!

 

PHUM VIPHURIT   Lover Boy

www.youtube.com

 

このクリップはパタヤのロケですね。

あちこち映ってますが、かなり分かる人もいるでしょう。

見てると、行きたくなりますよね・・・

WHO DO WE THINK WE ARE ?

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稲葉義男(俳優)

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枝野幸男(政治家)

 

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角田晃弘(タレント)

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ジャスティン・セロー(俳優)

 

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桜田淳子(元歌手)

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インラック・チナワット(前タイ首相)

 

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沼田曜一(俳優)

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クエンティン・タランティーノ(映画監督)

 

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ポール・マッカートニー(ミュージシャン)

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萩本欽一(コメディアン)

 

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森喜朗(元首相)

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坂上二郎(コメディアン)

 

WOMAN FROM TOKYO   DEEP PURPLE   from the album "Who Do We Think We Are"

www.youtube.com

 

あまりにも艶やかでそして哀しい、デヴィッド・リンチの最高傑作 ”マルホランド・ドライブ”

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これはもう、完全にノックアウト。

素晴らしすぎて。

 

ひたすらリンチが描き出した

145分間に酔いしれるだけですね。

 

ロスト・ハイウェイ” ”ブルー・ベルベット” ”インランド・エンパイア

などと比べても、際立って完成度が高いと思うんですよ。

オープニングシーンからエンディングまで

全ての場面に意味があって(込められていて)、

無駄なカットが一つもないという驚愕の映画です。

 

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しかし、単純明快&勧善懲悪&ハッピーエンドを

求めている人には全く向かないでしょうね。

(まあ、リンチの映画にそれを期待している人はそもそも居ないでしょうが)

 

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まず時系列が完全に崩されています。

現実に起こった事象について。

 

あと登場人物の頭の中の世界

夢や願望ですね~それらが

随所に挟み込まれているので

確かに観ている側は戸惑うわけです。

 

細かく観ますと、短いカットも実は繋がっていない。

例えばレストランで食事をしているシーンですと

登場人物の顔→テーブルの上の料理→また登場人物の顔

このごく短い切り替えのなかで、時制が変わってしまってるんですね。

まさにリンチ・マジック爆発、それが2時間以上続くわけで。

 

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だから解釈、感想というのは観る人によって

随分変わってしまうでしょうね。

で、正解というのはおそらく無いんでしょう。

その辺りも含めてリンチは計算し尽してるはずですよ。

 

この映画は女性と女性の絡み合い~ツーショットが多いんです。

私が思うには、その相手は自分の「分身」なんですね。

(そうであればナオミ・ワッツが出逢うローラ・ハリング

”記憶喪失”という設定になっている理由がよく分かる。別人ではなくて

自分の変身した姿なのですから、固有の記憶を持つ必然性が無い)

 

自分が自分に対して”夢”を抱く、成功した未来の自分を思い描く。

しかしそれは簡単には叶わない。

(レストランのウェイトレスのネームカードが映る場面)

それどころか絶望的な状況に陥ってしまう。

(闇の組織との関係が深くなっていく場面)

 

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そういう事態に自分を陥れたのは

男なんですね、欲にまみれた獣のように嫌らしい男たち

(ハリウッドに巣食ういわゆる業界人)に、

精神と肉体をボロボロにされてしまう。

 

そこで、もう最後の瞬間が近付いてきている

その時になって、もう一人の自分を産み出すわけです。

そういう男たちを手玉にとったり、

女王のように振舞える人物像にして。

 

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「ふーん、君がそう思うなら 多分そうなんじゃないかな。

コーヒーを飲んでもう一回観てみたらどうだい?」

なんて、監督に言われそうですけれど。

(リンチは大のコーヒー党)

 

MULHOLLAND DRIVE    Trailer

www.youtube.com

 

リンチはヒントも沢山、場面のなかに仕込んであるので

何回観ても飽きることはないですね。

 

箱を開けると

何が出てくるのでしょうね。

また観直してみましょう・・・

 

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マイ・リアル ”湘南サウンド” ブレッド&バターの充実70年代三部作

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デビューが1960年代という

まさに大ベテランのブレッド&バター

いわゆる”湘南サウンド”の代表的グループですが

平塚生まれで藤沢育ちの私には

年代的にも一番しっくりハマる

「地元の音」ですね。

 

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1973年の ”IMAGES”  は

ロンドン録音という当時としては画期的なアルバム。

かのスティービー・ワンダーも2曲でクレジットされています。

ゆったりとした牧歌的な曲が多く、

真昼の白日夢といった感触もありますね。

 

www.youtube.com

 

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翌74年には名作の誉れ高い 

”バーベキュー” を発表。

ブレバタの全キャリアでも圧倒的人気の

”ピンクシャドウ” も収録されています。

”地下鉄” “朝の陽” ”魔術”  

なども良いですねえ。

 

www.youtube.com

 

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75年の  ”マハエ”  は

フォーク、カントリー風味が薄くなり

R&B色が前面に出たファンキーな仕上がり。

ライブで主要なレパートリーになる

”DEVIL WOMAN” ”HIGHER” がグルーヴィ!

 

www.youtube.com

 

この後、数年のブランクを置いて

80年代にはジャケットもお洒落な

リゾートテイストのアルバムが続くのですが

私にはこの3枚の音世界が最高であります。

 

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超カルト&大失敗のリメイク映画 "失われた地平線"(1973)

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”失われた地平線”~LOST HORIZON

は1933年に発表された人気小説。

 

名匠フランク・キャプラが4年後に映画化し

高評価を受けます。

 

www.youtube.com

 

時は流れて1973年、巨額の予算が組まれて

リメイク版が作られます。

 

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アジアの山中奥深くに迷い込んだ一行を待ち受けていたものは・・・

という序盤のパートは37年版とほぼ同じ、

ここまで既に40分が経過しているのですが

 

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何故かいきなり突然に、これ以降は歌って踊る

ミュージカル映画に趣旨替え!

な、なんじゃ これは・・・

 

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欧米人がアジアをテーマにした映画を作る際によくあることですが

建築物や衣装のデザインがもう無茶苦茶。

(まあ、私たちもヨーロッパ諸国の細かい差異が分からないわけですが)

 

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ダンス場面の指導は

数々の往年の名作ミュージカル映画でも振り付けを担当した

有名な人(ハーミズ・パン)が行っているのですが

いかんせん役者さんの力量が追いつかず。

 

公開されるやボロクソの評価の嵐となったのでした。

 

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さて、この映画で音楽を任されているのが

かの有名な

ハル・デヴィッド&バート・バカラック

 

あまりの不評ぶりにこの名コンビの関係にも問題が生じ、

(主にギャラの取り分について)

長年続いたパートナーシップが解消されてしまいます。

 

”いざふたを開けてみると、『失われた地平線』はだれからも求められない映画だった。だれも見ようともせず、だれもハルとわたしが書いた曲を聞こうとしなかった。

(「バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラブ」シンコーミュージック・エンターテイメント)より

 

www.youtube.com

 

作中で歌われる "LIVING TOGETHER GROWING TOGETHER"

という曲が流れるシーン、シャングリラ~理想郷というより

怪しい教団の儀式のようになってますね・・・

 

www.youtube.com

 

こちらはシングルカットされて小ヒット(全米32位)した

フィフス・ディメンションのバージョン。

この曲がフィフス最後のトップ40入りしたナンバーということで

やはりお後がよろしくないようですね・・・

 

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やっぱり、お外はいいもんだ・・・

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どうもここのところ

もう1年くらいになるかな、

外出の回数が減ってるなと。

全世界的に皆さん、そうかもしれませんが。

 

前はぶらぶら散歩するの、結構好きだったんですけれどね。

室内に籠り気味というのもよくないので

緑の多い、広々とした場所にやってきました。

 

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おー、良い具合に風もそよそよ吹いているし

周りに誰も居ないから

マスクを取って

微睡もう。

 

やっぱり気持ちが良いよねえ。

 

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植物って

まったく関係ないんだよな、コロナに。

強いなあ。

 

強烈な睡魔が・・・

くらくらと

引き摺り込まれるようだよ。

 

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みんな、そうだよねえ

 

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MARCOS VALLE      1985

www.youtube.com