バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

絵画という名の高い壁

音楽や映画って2通りに楽しめるような。

ただ聴いて、ただ観て、それでも充分OK。

技法的な部分、パフォーマーのバックグラウンドを知ってから

というのもまた興味深い。

 

ところが絵画の世界というのは

”ただ鑑賞する”というわけにはいかない。

それでは、作者の意図が全く掴み取れないような

気がするんです。

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例えば ブリューゲルという高名な画家がいますね。

晩年の作品に「絞首台の上のカササギ」というのがあります。

 

これをですね、何の予備知識も無く見た場合、

絵のあちこちに込められた”サイン”が全く分からない

なので、受け止めようにも受け止められないんですね。

Die Elster auf dem Galgen.jpg

そもそも中央にあるのが

絞首台だというのは、絵だけからでは分からない。

確かに鳥がとまっているけれど、カササギの意味するところが

”密告者”であることなど

普通は知りませんから。

 

作者はただ風景を描いているわけではないでしょう。

幾つもの寓話がこの絵の中で

展開されているはずです。

 

それを理解するには相当の”事前学習”が要求されるわけで、

本、音楽、映画と比べると

ハードルが非常に高いなあ、と怖気づいてしまうのです。