2012年に100歳で亡くなられた新藤兼人監督。
まさに戦後の邦画の歴史とともに歩んできた人ですね。
溝口健二のもとで厳しいシナリオ修行に耐えた日々は
初監督作品の「愛妻物語」(1951年)に登場します。
世界的な評価が高まったのは1960年の「裸の島」
以降も社会性の強い意欲作、話題作を続々と製作していくことになりますが
多くの作品で出演していたのが
後に実生活でも伴侶となる乙羽信子。
新藤監督は既婚の身でしたが、さまざまな障害を越えて
彼女への愛を守り続けます。
乙羽信子は70歳でガンに倒れますが、二人の最後の日々は
前掲の自著に詳細に記されていて、強い絆を改めて感じますね。
10年前くらいでしょうか、バンコクでかなり規模の大きい
日本映画祭が開かれたのですが、そのラインアップに
新藤監督の作品が複数選ばれていて、胸が熱くなりました。