バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

戦前の驚異の傑作邦画「人情紙風船」「雄呂血」

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出ましたね、もうどかんと。

1937年に作られた山中貞雄監督の「人情紙風船

もう圧倒的な名作であります。

 

山中監督はこの後、出征し戦病死してしまいますから

これが遺作ということになります。

僅か28歳。

 

昭和でいえば12年ですが

その時点で作られた江戸時代のお話ということになります。

 

貧乏長屋でくすぶっている浪人が揉め事に巻き込まれていくという

筋立てなんですが、セリフが妙に現代的だったりするんですね。

「〇〇〇だもん」とか。

(ということは戦前にそういう言い方を既にしていた、ということですね)

 

劇団前進座の総出演といったところですが

原崎&中村の両御大の演技が、ただただ素晴らしい。

こうなると、後に続く役者さん

もうやりようが無いですよ。

 

古い映画ですが、今観て

分かりにくいとかテンポが遅くてつまらない

なんてことは一切無いので

是非、本編をご覧くださいな。

 

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そうそう、古いと言えば「雄呂血」という時代劇があって

阪東妻三郎主演なんですが、これは1925年製作。

もう100年くらい前の映画、

勿論サイレント(無声)です。

 

でもこれもまた実に素晴らしい映画です。

ラストに大立ち回りが延々と続くんですが

凄いスピード感&迫力。

 

youtu.be

 

製作条件とか技術的なものなど

今とは比較にならないほど劣悪なわけですよね。

 

で、どうしてこんな傑作が、

21世紀の今観ても

唸るような作品が撮れたのか?

 

これって、はっきり言って

「100年進歩無し」

ということだったりして。

 

いや、もしかして退化しているのかもしれませんよ。