バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

これがJAPANだ NIPPONだ、日本人なら涙腺崩壊「おかあさん」再び成瀬監督作品

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1952年制作の「おかあさん」

これは一家に一本の名作であります。

 

邦画の傑作は「七人の侍」や「切腹」「雨月物語」などでしょう。

この「おかあさん」には漲る緊張感とかスケールの大きさはありません。

しかし俗にいう”ウェルメイド”~構えはデカくないけど小粋に仕上げられた

逸品なのです。

 

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主演は田中絹代

映画の冒頭シーン「うちのお母さんは小柄なので、柄の長い箒は嫌いなのです」

というナレーションからして、掴み良し。

 

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一家はクリーニング屋さん、生活ぶりは楽ではありませんが

家族揃って、助け合い

暮らしています。

 

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長女役に香川京子、彼女に想いを寄せる近所の青年は岡田英次

二人とも若い!

 

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しかしお父さんと長男が亡くなってしまいます。

この映画が上手いのは、その辺りを長々と描かないところ、

そうするとウェットになり過ぎてしまいますから。

まさに”省略の美”ですね。

 

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お父さんの知り合いだった男性(加東大介)が店を手伝ってくれるのですが

やはり生活は苦しく。

それにしても加東大介の演技は天下一品!

 

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次女はやむなく親戚の家に貰われていくことに。

演じていたのは榎並啓子という人で、溝口健二の「山椒大夫」にも

出ていました。この娘の顔の表情とかも素晴らしいですよ。

 

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貰われていった家では温かく迎えてくれるのですが、

どうしてもおかあさん~田中絹代のことが忘れられずに

おかあさんの絵を机の横に貼ろうとします。

 

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でもそれでは新しいおかあさんやおとうさんに悪い・・・

そっと絵をはがして、机の中にしまいます。

 

素晴らしい名場面、後ろからのアングルというのが憎いですね。

こういう時に正面から顔を映してはアウトです、興ざめです。

この辺りが成瀬巳喜男たる所以ですねえ。

 

随所にお茶目なシーンも散りばめられていて

ベタベタした重さがないのも流石。

 

何十回観ても飽きませんよ。

未見の方は本編を是非是非。

 

ティシューが手許にあったほうがいいですね。