バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

TOKYO & ATLANTA オリンピックを巡る2つの物語

昨日に続いてオリンピックのトピックで。

 

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奥田英朗の「オリンピックの身代金」は

東大の大学院生がオリンピック(1964年の東京大会)の開会式で

爆弾テロを目論むというストーリー。

組織的なものでなく単独での計画です。

(相棒らしき存在もあることはあるのですが)

 

当時の日本社会についての書き込みが丹念にされていて

読み応えのある1冊。

 

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こちらは1996年のアトランタオリンピックについての

ルポルタージュ、著者は沢木耕太郎です。

 

面白いのは本番の競技よりも

・メディア関係者用のパスを取るのに延々と行列

・試合会場に辿り着くのが大変

・まともな食事にありつけない

といった事項についての記述が大半を占めている点。

 

選手に対しての視点もシニカルで

いわゆる熱血スポーツ観戦記といった類のものではありません。

 

著者の他の作品にも通じる、”根底の部分でクール”な

ドキュメンタリーです。

 

さてさて、今年の東京はどうでしょう。

開催にこぎつけたとしても

また仮に中止・延期になっても

相当数の関連書籍や映像作品が

残されそうですね・・・