黒澤明監督のベストということになると
”七人の侍”
”生きる”
”羅生門”
”用心棒”
あたりが常連、なのでしょうかね。
私は1957年制作のこの作品が
ぶっちぎりで一押しであります。
その理由としては
・(黒澤作品に期待されるであろう)スケール感を堪能できる。
・登場人物の配置、出入りがスムースで観ている側が混乱しない。
・特に山田五十鈴の演技は絶品。
(後年のインタビューではご本人は色々と思うところもあったようですが)
三船敏郎も気合十分。
・不自然さを感じさせるシーンがなく、全体の完成度が非常に高い。
・上映時間が2時間弱で間延びしない。
説明過多や説教調、笑いを取りに行くという場面も無いので
非常に引き締まった印象がありますね。
何回か観返しましたが、監督、役者、スタッフの力が結集した
まさにプロフェッショナルな仕上がりだと思います。
これを観てしまうと
後年の”乱”や”影武者”はどうでしょうか、
構図とか色彩は大変美しいですけれどね・・・