その演技力に定評のある名優
ウィリアム・H・メーシーの2005年作品。
監督のスチュワート・ゴードンは
キャリアの長い人で
1980年代~1990年代に
フロムビヨンドとかキャッスルフリークなどの
ホラー、オカルト系の作品がありますね。
ニューヨークの高層オフィスで働く中年サラリーマンの
ウィリアム、日常になんの張り合いもない惰性の日々が続いています。
ふと帰宅途中に寄ったタロット占いで
「あなたは自分の人生を生きていない」と言われ、
普段は寄り付かない酒場を皮切りに
ストリップバーや覗き部屋に足を延ばします。
行く先々で金を巻き上げられ、
路上のいかさま賭博に引っ掛かり
すっからかんに。
その後レストランのウェイトレスと意気投合して
彼女の部屋へ。
しかし言い争いとなって、彼女を殺してしまいます。
ほどなく逮捕され、長い長い刑務所生活が始まるのですが・・・
と、これから先は本編を見て頂くことにまして
なんといってもメイシーが役柄にピッタリとはまっています。
80分ちょいとかなり短めの上映時間で
通常なら描くであろう
会社での勤務(仕事に身が入らない)風景などは全て省略、
家庭不和(奥さんとの完全なすれ違い)のシーンも最小限。
大作、名作というわけではないですが
コンパクトにまとまっていて
観易い一本だと思います。
”自分の居場所”というのは私たちも
ふと考えることがあるのではないでしょうか。
「自分が居るべき場所とは本当に今の日常のなかにあるのだろうか・・・」
映画の後半~ラストにかけて
そんな事を
考えさせられる場面が続きます。