バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

豚肉のしゃぶしゃぶと母の涙

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子供時分の話です。

学校から帰宅後

”今日の夕飯は?”

 

しゃぶしゃぶ、だと。

おお、それはご馳走だ。

いさんで食卓に駆け付けると

そこには豚肉を並べた皿が。

 

えっ?牛肉じゃないの?

期待していたというか、そう決めつけてしまっていたこともあって、

かなり酷い言葉を母親にぶつけてしまいました。

こんなのいらないよ、とか。

 

昔はね、牛肉ってそんなに食べられなかったんですよ。

今と違って。

だからガッカリしたんでしょうね、その度合いが大きかったわけです。

 

でもこれはアウト、完全に✖ですよね。

絶対にやってはいけない。

今なら勿論分かるわけですが、

しかし子供だったから許されるというものでもない。

 

母は背を向けて、黙ったままでした。

多分泣いていたと思います。

 

自分の大罪、完全なる100%悪ですね・・・

 

そしてそれから随分経って、

実家を離れてから月日が流れた頃に

母親となにげに話をしていたら

「私は料理を作ることが好きではなかった」

と。

 

ニュアンスとしては、あまり凝った料理を作れなかった

という言い方でしたけれど

それを聞いて、また衝撃というか

非常に申し訳ない気持ちがこみ上げてきました。

 

母親は、好きでも得意でもない作業を

ずっとずっと家族のために

長年続けてきたわけです。

 

考えてみれば全ての女性が

料理好きというわけでもないし、その必要も無いわけです。

でも世の多くの女性は当たり前のように

毎日毎日、それを要求される。

そして、食べる側の

賞賛、感謝の気持ちは

とても十分とは言えないわけです。

 

矢野顕子のこの曲を聴くと

そのたびに思い出しますね、

40数年前のことを。

 

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