バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

素晴らしきかな、日本のロードムービー ”有りがたうさん”(1936年)

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名匠、清水宏監督の76分の小品。

これ素敵ですよ、いい映画だなあ。

ホントにホントに素晴らしい。

 

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伊豆を走る乗り合いバスの運転手に上原謙

その乗客に桑野通子。

 

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バスには他にも様々な事情を抱えた人が乗っていて

セリフの絡み合いが面白い。

 

車内の人間模様だけでなく

運転途中に行き交う(路上の)人物描写が

最高です。

 

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言葉を呑むシーンが次々と登場。

超大作恋愛モノとか圧倒的なスケール感とか

そういうのとは無縁の世界。

あくまで淡々と物語は進んでいくのですが。

しかし私は興奮しますね、冷静では居られない・・・

 

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こちらは上原謙の自伝のなかの一節、数えきれないほどの

出演作があるなかでも記憶に残る作品だったようです。

 

黒澤、小津の両監督に比して

清水作品は

映画愛好家のあいだの評価に留まっているような気がします。

 

それではあまりに勿体ない、

勿体なさ過ぎる。

 

この”有りがたうさん”と”按摩と女”(1938年)の2本は

どうぞ生きているあいだに

本編をご覧くださいませ。

日本のアートの至宝であります。

 

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