バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

実際の冤罪事件を題材にした今井正監督の真骨頂 "真昼の暗黒"

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青い山脈” ”また逢う日まで

ひめゆりの塔” “キクとイサム”

など日本映画史に残る作品を多数製作した

巨匠、今井正監督の力作(1956年)

脚本は ”七人の侍” ”白い巨塔” ”砂の器” を手掛けた

これまた第一人者の橋本忍

 

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老夫婦が殺され、犯人の青年はすぐに捕まるのですが、

 

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単独犯行とは考えない警察は、犯人の友人4人を

共犯に仕立てあげます。

いわゆる見込み捜査。

 

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無実の訴えにまったく耳を貸さず

殴る、蹴るの壮絶な暴行を加え

自白を強要させてしまいます。

 

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死刑の宣告に立ち向かう弁護団内藤武敏、菅井一郎ら)

 

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無実を信じる母親や恋人に

飯田蝶子北林谷栄左幸子などが扮します。

(小津映画にもよく登場する飯田蝶子、素晴らしい演技!)

 

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さてどのような判決が下されるのか・・・

 

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今から60数年前の作品ですが

警察(検察)VS 弁護士ものとしても

法廷ドラマとしても

見応えがあります。

 

なんといってもこの映画の特徴は

現実に起きた事件がもとになっており、

しかもそちらが係争中に撮影されているという点。

つまり映画を通して「4人は無罪である。全ては警察のでっちあげだ」

ということを真っ向から訴えているわけですね。

 

当然、裁判所からの抗議などもあったようですが

上映にこぎ着け、高い評価を受けました。

(最終的に4人は無罪を勝ち取ります)

 

社会派の今井監督らしい作風ですが

4人のアリバイを実証するための再現ドラマ風のパートが

唯一ユーモラス。

 

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つまり、忍法でも使わない限り

犯行は不可能というわけですね。

 

冤罪という言葉で思い浮かぶのは

かの帝銀事件袴田事件、東電OL殺人事件など

色々とありますね。

 

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映画に続いて、活字の世界でじっくりと

向かい合うことにしましょうかね。

 

二晩徹夜すれば、読了できるのではないでしょうか・・・

コーヒー10杯ほどの力を借りて。