”ひめゆりの塔” “キクとイサム”
など日本映画史に残る作品を多数製作した
巨匠、今井正監督の力作(1956年)
これまた第一人者の橋本忍。
老夫婦が殺され、犯人の青年はすぐに捕まるのですが、
単独犯行とは考えない警察は、犯人の友人4人を
共犯に仕立てあげます。
いわゆる見込み捜査。
無実の訴えにまったく耳を貸さず
殴る、蹴るの壮絶な暴行を加え
自白を強要させてしまいます。
無実を信じる母親や恋人に
(小津映画にもよく登場する飯田蝶子、素晴らしい演技!)
さてどのような判決が下されるのか・・・
今から60数年前の作品ですが
警察(検察)VS 弁護士ものとしても
法廷ドラマとしても
見応えがあります。
なんといってもこの映画の特徴は
現実に起きた事件がもとになっており、
しかもそちらが係争中に撮影されているという点。
つまり映画を通して「4人は無罪である。全ては警察のでっちあげだ」
ということを真っ向から訴えているわけですね。
当然、裁判所からの抗議などもあったようですが
上映にこぎ着け、高い評価を受けました。
(最終的に4人は無罪を勝ち取ります)
社会派の今井監督らしい作風ですが
4人のアリバイを実証するための再現ドラマ風のパートが
唯一ユーモラス。
つまり、忍法でも使わない限り
犯行は不可能というわけですね。
冤罪という言葉で思い浮かぶのは
色々とありますね。
映画に続いて、活字の世界でじっくりと
向かい合うことにしましょうかね。
二晩徹夜すれば、読了できるのではないでしょうか・・・
コーヒー10杯ほどの力を借りて。