大都会バンコクも表通りを離れて小径に入ると
緑にあふれた世界が広がります。
ご近所もこんな感じ。
さて見出しをみて、映画好きの方はお気づきでしょう。
ジョン・フォード監督の名作
わが谷は緑なりき~HOW GREEN WAS MY VALLEY~
(1940年)
のもじりなのですが。
まさに映画史上に燦然と輝く名作。
19世紀末、ウェールズの炭鉱町に住む大家族の物語。
頑固者の父に反発する兄達や
村の牧師に愛情を抱いてしまう姉の葛藤を
末っ子の視点から描いています。
子供たちの紅一点、モーリン・オハラ。
美しい!
現代の感覚からしますと
しきたりの多い日常
(食事中は会話禁止、何をするにも親の許可を得なくてはいけない)
男性と女性の明確な立場の違い
(女性の発言権が弱く、ただ家庭内の炊事や育児に精を出すことが求められる)
に違和感を覚える場面もあるかもしれません。
また宗教(それに向き合う人々の心の在り方)に言及しているパートも多く
シリアスな展開でもあります。
しかしさすがに名匠フォード監督、
随所にユーモアいっぱいの場面を差し込んであり
最後まで一気に観客を引っ張っていきます。
もともと3時間でも4時間でも、
あるいはテレビシリーズにして1クール、2クールでも
いけるほど濃い内容を120分に凝縮していますので
濃密な仕上がりになっていますね。
ひたすら正攻法、まさにこれが映画なのだ!
という堂々の一本、逸品であります。