あまりにも有名な文壇の巨匠
松本清張。
頻繁に映画やテレビドラマ化もされましたから
亡くなって随分経ちますが
若い世代の方にも比較的名が通っているかもしれません。
おそらくは、”点と線”や ”砂の器”などの
推理小説の大家としての評価が高いかと思うのですが
個人的にはむしろそれらの要素
(アリバイ崩し、犯行トリックなど)
を排した作品群に愛着を覚えます。
膨大な数の作品があるのですが
幾つか好みのものを。
姉の新婚旅行にまで付いてくる妹、彼女が心に抱いていた想いとは
「遠くからの声」
同期入社の旧友に出世の道も愛人も奪われた男の復讐劇
「寒流」
誌面刷新によって執筆を断られた老作家、編集者を誘い出すのだが
「理外の理」
不幸な山岳事故で弟を失った姉、疑惑の眼差しが先輩同行者に向けられる
「遭難」
堅物で知られる化粧品店主、店を訪れた若い娘の陥穽に堕ちていく
「坂道の家」
殺人犯として疑われている隣人を救うか、愛人との逢瀬の秘密を守り切るか
「証言」
自殺志願の女性を助けた初老の男、しかし彼の不幸はそこから始まった
「断崖」
面白そう、と思われます?
つまらなそう、と思われたら
20年、30年後に読まれると良いかもです。
その時に
グッとくるものがあるかもしれませんね・・・