バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

すれ違いと思い違いの花束 桐野夏生の珠玉の短編15編

 

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1994年から98年にかけて発表された

作品を収録した2冊の短編集。

 

この時期には作者の代表作である

長編の「OUT」も執筆されています。

映画&TVドラマ化もされましたので、よく知られていますね。

まさに脂ののっている時期だったのでしょう。

 

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www.youtube.com

 

さて、こちらの2冊には計15編が収められていますが

いずれもが読者をぐいぐい引き込む

キリノワールド全開といったところです。

 

かつて付き合っていた男女が再会するが

両者の心情の違いが浮き彫りに

「羊歯の庭」

 

泥酔時の記憶が無い主人公、

周囲の人間にその際の言動を確かめるのですが

「ジェイソン」

 

ラブホテルの室内で惨殺された幽霊と対話する主人公

自分が迎える運命もまた

「デッドガール」

 

マンションの下階の部屋に住む風変わりな女との情事を描く

ジオラマ

 

仲睦まじい夫婦が休日の買い物から帰宅

留守番電話に残されていたメッセージから流れてきたのは

「蛇つかい」

 

重厚な長編作品と比べると

気軽な気持ちで頁をめくることが出来ますね。

ディナーではなくてランチ。

 

もっとも普通の店のメニューより

使っているスパイスの量はずっと多めですが。

 

濃い目に淹れたコーヒーとともに

深夜に流れる時間を堪能しましょう。

 

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