バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

被写体とのディスタンスは零センチ 荒木経惟~アラーキーの世界

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1970年代、”いけない”雑誌って結構ありましてね。

もう今なら即アウトの内容てんこ盛り。

こっそり隠れて買ってましたよ。

「写真時代」とか「ウィークエンドスーパー」

アラーキーの作品もよく掲載されてました。

 

アジアの闇を歩く、なんていう特集があって

まさに魔界と呼べるような写真の印象が強烈で。

 

80年代にバックパッカー旅行をした際には

まだその面影がアジアの街に残ってましたね。

バンコクのヤワラー(中華街)の夜とかなかなか凄かったですよ。

マニラやセブの下町とかね。

 

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アラーキーの写真って、人の身体の中に入って

撮ってるんじゃないかというくらい

”超密”なんですよね。

距離感ゼロワールド。

 

時代が進むと、写真や映像ってどんどんクリアになるんだけど

撮る側、撮られる側の距離が乖離していくんですね。

仮に接近することがあっても

それは瞬間、その時だけのことで。

 

“コロナ後世代”の子供たちって、

「どうしてみんなマスクをしていないの?」

「なんでこんなに近づいているの?」

と不思議に思うようになるのだろうね、こういう写真を見ると。

(あっ、そもそも子供が見るのはちょっと、というのもありますが)

 

人間ってぴったりくっついていると

嫌になることもあるんだけど

その何倍も楽しいことがあるんだよ。

そういう生き物だからね、もともと・・・

 

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