クエンティン・タランティーノの初期作品
”レザボア・ドッグス” (1992年)
”パルプ・フィクション” (1994年)
タランティーノ ファンのみならず
映画好きの方なら拍手喝采の
素晴らしき二連発。
特に後者は歴代映画ベスト100、200などの
ランキングにも入るであろう
傑作であります。
さて、この2兄弟の齢の離れた兄貴が
スタンリー・キューブリックの監督メジャー第一作
”現金に体を張れ~THE KILLING" (1956年)
製作時、キューブリックはまだ20代
しかし技巧を凝らした脚本や撮影の緻密さは
既にベテランの境地。
タランティーノの2作品には
キューブリックへのリスペクトが随所に感じられます。
(タランティーノも製作当時20代の若さ)
共通するのは、
登場人物の造形
多人数の頻繁な出入り
時制の変換、置き換え
裏切りや偶発的な事象によるストーリーのねじれ
銃の乱射、バイオレンスのストレートな描写
相違があるとすれば
キューブリックは直球主体
タランティーノは変化球も持ち球
(自虐、際どいジョーク、チョイ役で自身も出演)
また前者の色付けは
モダンジャズとオーケストレーションですが
後者は
R&B,R&R,ファンクナンバーが主体です。
この3作はそれぞれの完成度が高く
何回観ても、飽きることはありません。
ひとつひとつのカットに膨大な情報量がインプットされているので
毎回新しい発見があります。
まさに映画の醍醐味、極まれり
ですね。