バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

話の展開がキビキビ&テキパキ、小津監督の初カラー作品 ”彼岸花”

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小津安二郎のカラー撮影初作品、”彼岸花”(1958年)

 

監督の代表作として名が挙がることはありませんが

今観返してみると、戦後に発表された作品群のなかでも

実は一番、観易い一本かもです。

 

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まずは女優さんが大挙登場しますが

皆、実に美しい。

 

久我美子有馬稲子桑野みゆき

 

洋装、和装

ともに着こなしが素敵。

身に着けているアクセサリーの類も

何気にお洒落です。

 

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そしてこの作品を魅力的にしているのが

ストーリー展開の快調さ。

 

”小津監督の映画? まあ良いんだろうけど

どうも話のテンポがねえ、ちょっとスローな感じがしちゃって・・・”

 

という方にこそお勧めできる脚本の小気味よさです。

 

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その源は母娘役の

山本富士子浪花千栄子の関西弁。

おっとり型の東京勢に対して

ポンポンポンと話を転がしていくので

全編、ダレることなく

またシリアス過ぎることもなく

楽しく観通すことが出来ます。

 

小津監督の作品が初めて、あるいは

前に観たことはあるが途中で挫折、

という方はお試しあれ。

 

ちなみに数多くの日本映画で

達者な脇役ぶりを見せる

浪花千栄子の半生は

筆舌に尽くしがたい苦労の連続だったようです。

 

だからこそ、これだけの粋な

芝居がこなせるのでしょうね・・・

 

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