先月
SF、ホラー、ファンタジーと多彩なジャンルの作品を
精力的に発表していた作家の小林泰三氏が亡くなられました。
まだ50代の若さでしたが、闘病中だったとのこと。
私はファンと呼べるほどの冊数を読んでいるわけではないのですが
初期の諸作が強く印象に残っています。
作品によってはかなり強烈な描写が続きますし
科学や物理の専門的な用語が多用されるなど
決して読み易いというわけでもありません。
また登場人物が”イカレテ”いる(話の進行とともにイカレテしまう)
ことも多いので、この辺りも好みの別れるところでしょうね。
例えが変かもしれませんが、
”小松左京の世界観を現代バージョンにアップデイトした脚本を
実験性の強い&しかしエンターテイメントの要素もある劇団が
演じている舞台を見ているような”
イメージと言ったらよいでしょうか。
(なんのこっちゃ・・・)
個人的に好みなのが
デビュー作の”玩具修理者”(1996年)に
収録された”酔歩する男”という中編。
恋敵の男性二人が、死亡した女性を甦らそうと
タイムワープを試みるストーリーなのですが
ジャストの時代には行き着けず、混乱と混沌の状況が拡大していきます。
予算を潤沢にかけてハリウッドで製作したら
話題の映画になるんじゃないかなあ。
映像化された作品は多くはないようですが
原作の宝庫だと思います。
でもテレビだと深夜の時間帯ですね・・・
異次元、異世界への入場券をたくさん頂きました。
ご冥福をお祈りします。