バックパック旅行をしていた頃、
1986年だったかな
ビルマ(表記が今と違いますが、このほうが馴染みがあるので)
を旅しました。
入国前に査証取得、また宿泊旅程表の提出などの作業がありました。
目的地についてから勝手に宿を決めるというわけにはいかないわけです。
移動手段や滞在日数、訪問可能な場所も限られていますので
他の旅行者と同じような顔ぶれになるんですね、旅の間。
”あら、あの人ラングーンの食堂でも会ったことあるなあ”
とか。
洋酒(ジョニーウォーカーだったかな?)を持っていくと
良いレートで現地通貨に交換できたんですよね。
ラングーンではコロニアルな様式のホテルに泊まって
シュエダゴンパゴダや寝釈迦のある寺院に行ったり。
マンダレーは落ち着いた街並み(イメージで言うと ”白い都” です)
そして最近、世界遺産に登録されたパガンが凄かった。
数えきれないほどの寺院が見渡す限りの平原に佇んでいて。
この世のものとは思えない幻想的な風景でした。
宿泊したゲストハウスの娘さんが
”私はシャンの出身よ”
と誇らしそうにニコッとした表情を今でも覚えています。
ビルマの人は慎み深くて、穏やかな物腰で振る舞います。
物質的には決して豊かとはいえないわけですね、その頃。
通りを走っている車とかも相当に年季が入っていて
運行本数が充分でないのでしょう、バスなどはいつも超満員。
でもガツガツした感じは受けません。
道端の屋台やマーケットでも
他のアジアの国とは違う静寂な雰囲気が漂っていました。
ビルマにはその後、間を置いて1回しか訪れていません。
だから却って
この時の印象が強いのでしょうね。
タイやフィリピンのように訪問回数が多いとか
居住経験があるわけでもなく
あくまで「点」~空にぽっかり浮かんだ
1つの風船のような淡くて儚い
記憶です。
先日のニュースに接して
旅のあいだに出逢った素敵な笑顔を
想い出しました。