手塚治虫の後期の代表作に挙げられる大作
”アドルフに告ぐ”
史実と手塚のイマジネーションが融合した
まさに傑作。
決して手塚治虫の大ファン、というわけではない私が
ぐいぐいと物語に惹き込まれて
頁をめくる手が止まらなくなりましたから。
未読の方が居られましたら、是非にどうぞ。
(ラストの展開がちょっと駆け足になっていて消化不良・・・長期連載の際にはよくあることですが、諸々の事情による打ち切りだったようです。手塚の構想としてはその後のストーリーも考えられていたとのこと)
私の手許にあるのは
週刊文春での連載が終わった年(1985年)に単行本化されたものですが
不思議に思っていたことがありまして。
というのも表紙のイラストが見てわかるとおり
違う人が手掛けたものなのですね。
何故だろう?
これでは手塚治虫の作品ということが
分かりにくいのでは?
と。
実はこれは意識的なものであって、書店で漫画コーナーではなく
一般の単行本が並んでいるスペースに置いてもらおうという
戦略があったようです。
なるほど、確かに連載誌が漫画雑誌ではなく
文春だったわけですしね。
壮大なスケールで描かれた作中には
実在の人物も多数登場します。
手塚のオリジナルキャラクターとの絡み合い、ぶつかり合いは
まさに”読む映画”といったところ。
読者の理解を深めるために
単行本には年表が付いているのですが
関連書籍を併読すると
更に面白さが倍加します。
”アドルフ~”が全4巻で1200頁以上、
これらの書籍を合わせると
うーん、コーヒー100杯ほど飲み干すと
制覇できるでしょうかね・・・
でも手塚先生はろくに睡眠時間を取らずに
書き上げたわけですから
その1万分の一くらいの寝不足で向き合おうかと。
なんらの意味もありませんが・・・