私はリアルタイムでは
つげ義春の作品の数々に出逢っていません。
かの ”ねじ式” が1968年、
まだ幼稚園ですからいかにも無理。
(そもそも、つげ義春が好きな幼稚園児って変ですよね。
ディズニーとかぐりとぐら、きかんしゃやえもん、ならともかく)
その後の
”必殺するめ固め”(1979年)
”無能の人”(1985年)
などの話題作も、雑誌掲載時に読んだという
記憶がありません。
1987年を最後に新作の発表が途絶えますので
つげワールドにハマるのは
全て後追いということになります。
どの作品も魅力的ですが
私が一番心惹かれるのは
1967年から翌年にかけて発表された
十数編。
”海辺の叙景”
”長八の宿”
”ほんやら洞のべんさん”
”もっきり屋の少女”
などが特に頂点かと。
映画化されたものでは
石井輝男監督のオムニバス作品
”ゲンセンカン主人”(1993年)に登場する
岡田奈々が素敵でしたね。
他の漫画家と比べても
非常に寡作ですけれど
だからこそ、その輝きは永遠。
もう80歳を越えていますけれど
お元気な近影を拝見できるのは
嬉しい限りです。