”失われた地平線”~LOST HORIZON
は1933年に発表された人気小説。
名匠フランク・キャプラが4年後に映画化し
高評価を受けます。
時は流れて1973年、巨額の予算が組まれて
リメイク版が作られます。
アジアの山中奥深くに迷い込んだ一行を待ち受けていたものは・・・
という序盤のパートは37年版とほぼ同じ、
ここまで既に40分が経過しているのですが
何故かいきなり突然に、これ以降は歌って踊る
ミュージカル映画に趣旨替え!
な、なんじゃ これは・・・
欧米人がアジアをテーマにした映画を作る際によくあることですが
建築物や衣装のデザインがもう無茶苦茶。
(まあ、私たちもヨーロッパ諸国の細かい差異が分からないわけですが)
ダンス場面の指導は
数々の往年の名作ミュージカル映画でも振り付けを担当した
有名な人(ハーミズ・パン)が行っているのですが
いかんせん役者さんの力量が追いつかず。
公開されるやボロクソの評価の嵐となったのでした。
さて、この映画で音楽を任されているのが
かの有名な
ハル・デヴィッド&バート・バカラック。
あまりの不評ぶりにこの名コンビの関係にも問題が生じ、
(主にギャラの取り分について)
長年続いたパートナーシップが解消されてしまいます。
”いざふたを開けてみると、『失われた地平線』はだれからも求められない映画だった。だれも見ようともせず、だれもハルとわたしが書いた曲を聞こうとしなかった。
(「バート・バカラック自伝 ザ・ルック・オブ・ラブ」シンコーミュージック・エンターテイメント)より
作中で歌われる "LIVING TOGETHER GROWING TOGETHER"
という曲が流れるシーン、シャングリラ~理想郷というより
怪しい教団の儀式のようになってますね・・・
こちらはシングルカットされて小ヒット(全米32位)した
フィフス・ディメンションのバージョン。
この曲がフィフス最後のトップ40入りしたナンバーということで
やはりお後がよろしくないようですね・・・