随分前に亡くなっていますが
ダニー・ケイという役者さんがいます。
国連の親善大使だったり、来日もかなりしていたようですので
年配の日本人には親しみのある名前かもしれませんね。
この人はルックスが良いのです。
まずスラリと背が高くてぜい肉など一切無し。
端正な顔つきで物腰も上品。
それでいてダンスも上手く話芸も達者という
全てを備えた芸人さんなんですね。
代表作のひとつの
”天国と地獄~WONDER MAN”(1945年)は
今観ても実に楽しい映画です。
ダニー・ケイはいつも図書館に籠っている超真面目人間。
お兄さんが居るのですが、トラブルに巻き込まれて殺されてしまいます。
死んだはずのお兄さん、幽霊となって復活。
他の人には見えません。
勿論、ダニー・ケイの二役。
このお兄さんは時に弟の身体と合体してしまいます。
そうすると性格の全く異なる兄の口調と行動になってしまうわけですね。
お兄さんは生前芸人だったという設定ですので
ダニー・ケイのダンスや話術をたっぷり楽しめる見せ場が
用意されています。
特撮(というとオーバーかもしれませんが)のシーンも多いので
子供でも楽しめます。
日本の偉大な喜劇人、谷啓は
ダニー・ケイの大ファンであったことから
名前を拝借しているのは有名な話。
確かに
*神経質で細部にこだわる
*現実世界から離れた空想癖~ファンタジー要素
*無国籍(様々な役柄に化けやすい)
*下ネタは避ける
*音楽に造詣が深い(ケイはダンス&歌、谷啓は楽器演奏)
などの共通項があるように感じられますね。
ジーン・ケリーとだって踊れるし
ユーモラスな演技はお手のもの
こういう人こそ
「マルチな才能をもった」人と言うのでしょうね。