力の入った特集記事が売りの音楽誌
若い時分には毎月の発売を楽しみにしていたものです。
たまたま手許に残っている号をパラパラと読んでいたのですが
作家の奥田英朗氏のインタビューが。
ほぼ同世代の方&著作も拝読していましたので
興味深く読みました。
インタビューの主なテーマは
ポール・マッカートニーについて。
辛口の発言が続いています。
”ソロ時代でも好きな作品はたくさんあるんですけど、『バンド・オン・ザ・ラン』『ヴィーナス・アンド・マース』にしても、私はもう一味欲しいなと思ってしまう。同じ色なんですよ、ポールは”
”・・・なんでこんなNHKの「みんなのうた」みたいな曲をやるんだ、って思ってました(笑)。ポールのそういうところを私はオブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ・センスって呼んでるんです。・・・”
(レコード・コレクターズ 2014年2月号より)
私もまったく同じような気持ちだったんですね。
氏もそうですが、60年代のリアルなビートルズ体験は無くて
70年代のソロアルバムをまず聴いて~ビートルズのアルバムについては後追い
という世代なわけです。
で、大枚はたいて買いましたよ。
(昔はレコードって割高だったんです)
ポールのソロやウィングスのアルバムを中学生の頃に。
でも正直言ってアルバム全体の完成度が高いのは氏も挙げていた2枚で、
他の(”レッドローズ・スピードウェイ” とか ”スピード・オブ・サウンド” など)
LPについては??でしたよ。
放り投げ、というと表現が悪いんですけど
詰めが甘いような気がするんですね。
「パッと頭に浮かんだ曲をササッと弾いて、手早く録音していっちょ上がり」
みたく。
ビートルズ時代の曲にも、どう反応していいのか分からない~
なんでこんな(出来が悪いという意味でなく)曲を
この位置(曲順)に置いてるのかな、という気持ちになったりしました。
でも、今は非常に明快に分かりますね。
それこそがポールそのものなんだって。
だからこそ、これだけの長期間を
ほぼブランクなく歩んでこれたんだなあと。
最近も新作、リリースしてますが
御年78歳!
ツアーも精力的にやってきてますし。
しかも2時間を越える長丁場ステージで。
”こだわってたら”
途中でストップ(あるいは長期のブランクに突入)しちゃいますから。
創作意欲も続かなくなっちゃうと思うんですよ。
曲が出来た瞬間に(あるいは作っている途中で既に)
興味を失って一旦終了。
そして、次のアイデアが湧き出てくるのを待つ。
リスナーはどうしても過去の作品と比較して
それより良いか悪いか、という聴き方になっちゃうんですけど
多分ポールはまったく意に介してないんでしょうね。
”みんな、リクエストある? 気軽に言ってね。 えーとその曲、僕が作ったんだっけ? いっぱい作ってきたから忘れちゃったよ。それよりさ、昨日思いついたメロディーなんだけど弾いてみるね。どう?”
ALWAYS PAUL IS ALIVE AND WELL
ですね。