井伏鱒二の「黒い雨」
遠藤周作の「海と毒薬」
戦後の日本文学を代表する作品としてあまりにも有名ですね。
この2冊には
*太平洋戦争(で起きた事項)がテーマとなっている
*回想形式を取っている
という共通項がありますが、
映画化された際にも同様のポイントが。
*モノクロである
*資金面などで製作に困難が多かった
*ともにキネマ旬報で第一位を獲得
今村昌平監督の「黒い雨」(1989年)は
広島の原爆投下で被爆した家族の物語。
原作ではそれほど登場場面が多くない女性を
田中好子(スーちゃん)が演じています。
まさに入魂と呼べる演技が圧倒的。
他のベテラン勢が
今村監督の作品としては控え目な動きとなっているので
余計に際立っています。
残念ながら
早く亡くなってしまいましたが
お元気でいたら、日本を代表する女優さんに
なられていたことでしょう。
「海と毒薬」は社会派の熊井啓監督による製作(1986年)。
捕虜になった米国人兵士に対する臨床実験(九州大学生体解剖事件)
に関わった医学部生の葛藤がテーマとなっています。
熊井監督は海外で非常に評価が高いのですが
を受賞しています。
監督は他にも遠藤周作原作の作品がありますね。
遠藤周作といえば・・・
中学生の頃に「彼の生きかた」という単行本を読みまして。
で、それをですね
当時好きだったクラスの女の子に貸したことがあります。
「面白いから」と。
なんとかきっかけにしたかったわけですね、やりとりの。
でも、ものの見事にふられました。
「悪いから返すわ」
と言われたんですが
「いいよ、いいよ。せめて取っておいてよ」
と答えるのが精いっぱいでした。
確か、
人間社会に馴染めない男が
ニホンザルの研究員となるストーリーだったかな。
なんとなくことの顛末を暗示しているような気がして
苦笑いというか大笑いですね・・・
話がすっかり脱線しました。
失礼、失礼。