バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

信じることと祈ること

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私には特定の宗教への信仰心がありません。

墓参りをしたり

タイの友人たちと寺院に行った際に

手を合わせることはします。

その際に心の中で思うこともあるのですが

それは信仰と呼べるようなものではないでしょう。

 

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宗教、そしてそれを信じるという行為は

大変にセンシティブな事項ですので

(特に外国生活においては)

安易に話題として持ち出す、言及するということは御法度です。

日本国内ではあまり意識することはないのですが

海外では、非常に多くの人~ほぼ全てといっても過言ではないでしょう

が、なんらかの宗教を信仰していますので。

 

当然、実に多数の小説や映画、絵画の題材になっていますけれど

自身がキリスト教徒だった遠藤周作の ”侍” という作品に

こんな一節があります。

 

”世界は広かったが、結局、その広い世界でも、この谷戸(主人公が暮らした気候が厳しく痩せた土地)と同じように人間は悲しみに潰されていた”

 

だからこそ、人は共に涙ぐみ

かたわらにあって

苦患の歎きに耳をかたむけてくれる存在が

必要なのかもしれません。

 

沈黙(1971年) 監督/篠田正浩

www.youtube.com

 

沈黙-サイレンスー(2016年) 監督/マーティン・スコセッシ

www.youtube.com

 

同じく遠藤周作の代表的作品でもある ”沈黙”

かなりの間を置いて

2回映画化されましたが

スコセッシ版は大きな話題になりました。

 

篠田版ではキチジロー役の

マコ岩松の演技が素晴らしかった。

フェレイラ神父に扮する丹波哲郎

物凄い迫力とセリフ(英語)回しでした。

 

洋画ですと、1986年の

”ミッション” がすぐ思い浮かびますね。

主演がロバート・デ・ニーロジェレミー・アイアンズ

音楽がかのエンニオ・モリコーネという強力布陣。

雄大オーケストレーション

作品を一層魅力的なものにしています。

 

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こういった作品に触れると

信じることの厳しさに正直、慄いてしまいます。

私のような意志脆弱な人間には難しい。

 

でも、祈ることなら少しは出来るかもしれません。

その行為にはあまり意味も重みもないのかもしれませんが

タイの道端でよく見かける祠に

合掌するように心がけてみましょうかね、

タイの人にならって。

 

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