バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

アフリカ~渥美清~いかりや長介

f:id:bkkmind:20210207182006j:plain

 

当時としては画期的な

アフリカロケを敢行した

羽仁進監督の1965年作品

”ブアナ・トシの歌”

主演は後に寅さんシリーズで国民的俳優になる

渥美清です。

 

f:id:bkkmind:20210207182409j:plain

 

渥美清の役柄は

日本人研究者のためにプレハブ住居を建設する技術者。

現地の住民に協力を求めますが

当然のごとくカルチャーギャップが続出します。

 

f:id:bkkmind:20210207182746j:plain

 

f:id:bkkmind:20210207182831j:plain

 

当初は苛立ちや怒りを隠せない渥美でしたが

最終的には村人の力を借りて

住宅が完成します。

 

f:id:bkkmind:20210207183000j:plain

 

f:id:bkkmind:20210207183028j:plain

 

渥美が現地を去る前の晩に

村人たちは渥美に歌をプレゼントしてくれます。

”最初は分かり合えなかったが、今は心の友達だ”

と。

 

f:id:bkkmind:20210207183246j:plain

 

この映画には

おいちゃんもさくらも源公も御前様も出てきません。

ですのである意味、渥美清は芝居が出来ないわけです。

受けてくれる相手が居ませんので。

スワヒリ語がある程度出来る設定にはなっているのですが)

 

従って、ぶつぶつ言いながらも渥美は自分で率先して

日々の作業を進めていくことになります。

この辺りが ”周囲におんぶしてなかなか自らは動こうとしない”

寅さんスタイルと違った、スッキリ感を生んでいます。

 

f:id:bkkmind:20210207183932j:plain

 

監督の狙いは渥美清の演技にあるのではなく

アフリカの雄大な風景や現地の文化、風習にあるのは明らかなのですが

だからこそ渥美清は力を抜いて、軽快な演技が出来たのかもしれませんね。

 

f:id:bkkmind:20210207184913j:plain

 

後年、渥美は度々

プライベートでアフリカを訪れるようになるのですが、

小林信彦の ”おかしな男 渥美清” (新潮文庫)には

撮影当時の状況が1章を割いてかなり詳しく

紹介されています。

(当時、渥美と小林は親交があった)

 

f:id:bkkmind:20210207184812j:plain

 

アフリカに魅せられた芸能人として

もう一人思い浮かぶのは

長さん、ドリフターズのリーダーだった

いかりや長介

 

生前になんと29回!も

渡航しているそうです。

アフリカへの熱い想いは

自伝などでも語られていますし

テレビのドキュメンタリー番組も制作されました。

 

ご子息の書かれた

いかりや長介という生き方”(幻冬舎文庫)では、

一緒にケニアへ行く計画もあったようです。

(息子さんの体調が思わしくなく実現はせず)

 

f:id:bkkmind:20210207185719j:plain

 

今頃はお二人、

天国で喜劇論に加えて

アフリカの話題で盛り上がっていることでしょう。