エンブリオ/帚木蓬生
これは乱暴に言うと
21世紀版 ”白い巨塔” ですかね。
主人公の医師は先端医療のパイオニア、
財前五郎のように出世欲ギラギラだったり
患者や周囲に帝王のごとく振舞うというタイプではないのですが
邪魔になる人間を躊躇なく排除するという点では共通の人間像。
前半は特に事件らしい事件も起きず
適度に濡れ場も挟み込まれていて
昭和の時代のテレビ奥様劇場のような趣。
ラスト近くになって、立て続けに殺人事件が発生するのが
ちょっとバランスが悪いかなという気が。
これはやっぱりドラマ化したほうが面白いような気がしますね。
宮部みゆき/希望荘
圧倒的知名度である筆者の
杉村三郎シリーズの一冊。
これは短編(やや長いものもあり)集です。
実は私、宮部みゆきとは相性が悪いようで
今まで10冊ほどと大した数ではないのですが
読んでみまして、結果
途中で挫折してしまったのが3冊くらい、
読了したものも
面白くてページをめくる手が止まらない、とはなりませんでした。
多数の文学賞を受賞して
映画化された作品も多いわけですから
きっと私の読み方が悪いのだと思います。
(今回もやはり、同様の結果でした・・・)
多分、著者の作品には
登場人物がかなりの数にのぼることが多いのが一因かな。
どうも頭のなかの映像~スクリーンがうまく描けないのですね、
二十人、三十人とかになってくると。
でもまた挑戦してみようっと。
神戸芸能社/山平重樹
潜入ルポ/ヤクザの修羅場
波紋/黒川博行
いわゆるヤクザさんというか極道、怖いお兄さんたちについての
ルポルタージュだったりフィクションだったり。
怖い、といえば
昔、学生の頃に原付のバイク運転していまして
車にちょっと接触してしまったことあるんです。
ま、いいかなと思ってそのまま走り去ろうとしたら
猛然と追ってくる。でついこちらも逃げてしまう。
勿論逃げ切れず、停車したら
相手の人がモロ、その手のお方(若い人でしたけどね)
うちの組の事務所まで来い、と。
学生証持ってましたんで見せたら
最終的にはなんとか許してもらえたんですが。
その時助手席に女の人が座ってましてね。
ニヤニヤしながら見てるんですよ、一部始終を。
その瞳がねえ、物凄く冷たいというか感情が無いというか。
多分殴る蹴るという事態になっても
ずっと笑っているんだろうな、この女性は
と思ったことを今でも覚えてますね・・・
やっぱり、こういうことは
活字や映像の世界での疑似体験に留めていたほうがいいですね
ウン。
カオス/梁石日