バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

小百合とサユリ

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サユリスト

と呼ばれている人たちが居ます。

女優、吉永小百合の熱狂的なファンの方々。

年齢でいえば団塊の世代&もうちょい上にあたる

現在では70代中頃~のお歳でしょうか。

(後追いの世代は別にして)

 

”小百合ちゃん”(中平まみ著・講談社)は

吉永主演の映画を4本監督した中平康の娘(小説家)による一冊、

プライベートでも吉永と交流があった人です。

 

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こちらは多数の著書があるノンフィクション作家

関川夏央ルポルタージュ(”昭和が明るかった頃”・新潮文庫

 

タイトルからは分かりにくいのですが、

吉永小百合の映画を製作した日活にスポットを当てて

1960年代のいわゆる

「高度成長時代」とはどんな時代だったのかを記述した力作。

映画評論本ではないのですが、個々の作品内容や

吉永小百合の私生活についても詳しく触れられています。

 

この2冊はどちらとも

単なる礼賛本ではなく、

相当にクリティカルな視点~

吉永の出演作の出来具合や時には本人に対してまで、

が目立ちます。

 

どうも首をひねってしまうような映画が多過ぎる

製作サイドの問題もあるが吉永側(本人および家族)にも

その原因の一端があったのでは?

ということなんですね。

 

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確かに膨大な数の出演作があるわけですが

作品として高い評価を受けているのはそれほど多いわけでもなく

また、そのほとんどが活動初期に集中しています。

 

70年代以降も映画への出演は続くのですが

(大作、話題作も含まれます)

むしろそれよりもテレビのCM、あるいは文化人としての

活動が目立ったように記憶しています。

 

60年代前半の数年間は

1年で10本以上の主演作を撮り、

吹き込んだレコードの数もこれまた膨大です。

 

当然極度の過密スケジュールなのですが

この人の凄いところは学業を放棄しないんですね。

学校に行けない、卒業に必要な単位が不足する、クラスで無視される・・・

でも粘って粘って、大学卒業を果たします。

 

それでいて映画の撮影に臨む際には

絶対に手を抜かない、セリフは完璧に覚えていく

という。

 

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初の本格的主演作では、失神してまで

水中に体を浮かべるシーンに挑む。

それ以外にも、あまりの忙しさに

体調を崩したこと数知れず。

 

当時映画館で観た人に伝わったんだと思うんですよ。

”この女優さん(まだ少女、ですが)はただ演技に熱心なだけではない。

作品世界の中だけでなく、実像もそうに違いない。真っ直ぐにひたむきに

毎日を必死に生き抜いているんだ”

と。

 

その全力疾走の姿が、それこそ1960年代(特に東京オリンピックまで)

の日本人の生き方であって、その集合体が

高度成長時代と呼ばれるものであったのかなと。

吉永小百合はまさに”代表選手”であったからこそ

多くの日本人がスクリーンの彼女に熱狂的な声援を送ったのでしょう。

 

(同じ60年代でも後半になるとその中身は微妙に変質していき

急速な映画界の斜陽にも繋がっていくように思います)

 

おっとっと、私はサユリストでも映画マニアでもありませんので

戯言のほど

どうぞご容赦を・・・

 

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