出身国よりも外国での人気が高い
アーティストって、時々見かけますが
さしずめ
このボビー・コールドウェルはその筆頭ですね。
デビュー・アルバムが1978年の発表。
この時から既に知名度が高かったですよ、日本で。
”素敵ね~、詩も綺麗なのよ”
とアメリカで暮らした経験のある知り合いの女性が
うっとりしてましたっけ。
My Flame
当時、真っ先に感じたことは
”ボーカルの声質がスティービー・ワンダーそっくりだなあ”
と。
シングルヒットも出て(ボビーの代名詞 ”風のシルエット”)
このファースト作はアメリカでもかなり注目を集めました。
It's Over
次作の "CATS IN THE HAT"(1980年)は
煌びやかなストリングスやホーンセクションで彩られた
デビュー作と異なり、音数を絞り込んだ
かなりストイックな作りでしたね。
スティーリー・ダン~ドナルド・フェイゲンのソロ作を
思わせるところもあります。
発売当時は ”地味だなあ” と思ってましたけど
聴き込むと味わいが増す力作ですね。
Carry On
三作目の”CARRY ON”(1982年)
ボビーの代表作を一枚挙げるなら、私的にはこれですかね。
当時は大学生の頃ですか、よく聴いてました。
なんといっても一世一代の名曲
”ジャマイカ” が収録されてますから。
ただアメリカでのセールスは低下する一方で
4作目の”AUGUST MOON”(1984年)以降は
長いブランクが続きます。
他アーティストへの曲提供などはありましたけれども。
以降はスタンダードナンバーを取り上げた
ムーディー&ゴージャスなアルバムが続くのですが
引き続き日本では高い人気を維持していて
来日の回数も多いですね。
(ボビーは歌唱力もあるので、この路線もハマるのですが
オンタイムで聴くことはもう無くなっていました)
で、時は流れまして2015年に
(現在のところは)最新作を発表。
正直あまり期待せずに耳を傾けてみましたら・・・
Game Over (with JACK SPLASH)
おっ、これはGOODですね。
今風にアップデート、目配りした箇所もあるんですが
声も衰えておらず
収録曲も水準以上のものばかり。
Never Loved Before
初期の頃のトロピカル風味~ラテンフレーバーを
まぶしているナンバーもあって
ファンサービスの怠りも無し。
ベテランアーティストの2000年代以降の作品としては
ベストの一作ではないかと。
今でも部屋でよく流しています。
うん、タキシード姿のバラード路線よりも
こっちのほうがずっといいなあ・・・