よくありますよね。
「無人島に持っていく10冊の本」
「人生の最後に聴きたい音楽作品」
とか。
もし一つしか選べない
洋楽/邦楽/外国(翻訳)文学/日本文学
それぞれのジャンルで、
という厳しい設定にしたら
自分の場合はどうかしらん。
洋楽ならこれですね。
アート・ガーファンクルのセカンドソロ。
夕暮れ時、夜の帳が下りる頃を
音楽にするとこういうサウンドになるかなと。
中学生の頃にLP買って以来の愛聴盤です。
しかしそれから半世紀近く、そこそこ
ロック、ソウル、ジャズ、ラテン・・・
と聴いてきて、
結局これを越える(出来具合というより印象ですが)作品には
巡り合えなかったですね。
それもしかし、どうなんだという気もしますけれど。
Break Away
日本なら、このアルバム。
1974年に発表された作品。
アルバム全体が
親しい人(家族)を亡くした喪失感を視点として
東京~TOKYOという街を俯瞰するコンセプト作品なんですね。
当時のミカバンドの面子がバックを担当してますが
小学5年くらいだったかな、最初はいまひとつ親しめなかったんですけど
(子供ですもんねえ)
聴き込むうちにハマりましたね。
何百回(もっとか?)聴いたか分かりません。
生涯最高の一曲、が収録されていて。
死ぬ瞬間にもし音楽を流せるんだったら
私はこれを選びたいですね。
まちのうた BUZZ
外国の小説~翻訳版ですが~
は、そもそもあんまり読んでいないので
ベストもフェイバリットもないんですけど
バックマン名義のキングの初期作品。
日本語訳が凄いんですよ。
割とね、翻訳の文章で詰まらなくなってしまうことって
多いと思うんですが、この訳はですね
もうキングが日本人になって、そのまま書いてるんじゃないかという。
キングの音楽好きは有名ですけど
音楽を言葉に置き換えてるんですよ、この作品。
最初に言葉ありきではなくて
サウンドがあるんですね。
それが小説になっている。
だからビートがあるんですね、文章に。
4とか8とか、時に変拍子。
読んでて身体が、じゃなくて
脳がスイングする
~そんな一冊です。
日本の小説なら、この一冊。
手許にあるのは河出文庫の初版(1983年)ですけど
これを読んで、自分も外国をうろうろフラフラ
旅するようになったんですね。
映像がね(勝手に自分でイメージしてるだけですが)
クリアに映るんですね、頭のなかに。
映写機があるんじゃないかというくらい。
エズメラルダという女性が登場するんですけど
顔つきとか身体つき、
100%視覚化出来るんです。
だから波長というのか、ぴったり重なってるんでしょうね
作品世界に。
「ジローは、どっから来たの?」
「当ててみなよ」
「うーん・・・・・・」と、唸ってから言った。「フランス!」
「いいや」
「イングランド」
「違うなあ」私は冗談を言っていると思っていた。
「じゃあ・・・・・スイス!」
「いや」
「スペイン!」
「・・・・・・・・・・・」
「オーストラリア! ブラジル! ドイツ!」
エズメラルダは、思いつく限りの国名を次々に口走った。運動会のとき、青空にひるがえる万国旗を見あげながら、知恵遅れの少女が「あれはアメリカの旗! あれはフランス! あっちはイタリア!」と夢中になって指さし、天真爛漫に叫んでいるようだった。
今読んでも、きますね
グッと。
ところで映画はどうだろう?
本やレコードと違って
映画は難しいですね。
私が子供の頃って、ビデオやDVDは無いし
ネットで動画を気軽に見れるなんてことも勿論不可能。
子供じゃ映画館に気軽に行けないし
せいぜいテレビの”〇〇洋画劇場”くらいしかチャンスが無い。
それだって親が別の番組を選んだら、もうアウト。
なので小さい頃からの”積み重ね”が
書籍や音楽に比べると少ないんですよね。
いっちょ、洋&日本映画の私的ランキングでも
作ってみるかな、
最期に観る一本を選ぶために・・・