テレビのタモリ倶楽部などで
飄々とした笑いを振りまいている
本職のミュージシャンとしての活動以外にも
居酒屋、自転車、カメラ、音楽史(カントリー&ウェスタン、日本のフォーク)
などについての博識ぶりが
生半可なお方ではありません。
私のような世代ですと
なんといっても、
日本で一番売れたシングルレコード
”およげ!たいやき君”(歌/子門真人 1975年)
のカップリング曲、”いっぽんでもニンジン”
が頭に浮かんできます。
当時、ご多分に漏れず
このシングル盤買いましたけど
たいやきくんより、よく聴いたなあ。
氏は相当数の著作を書かれていますが
これがまた、
実にオツで粋な文章でして。
こういった本で浮かび上がってくるのは
実に冷静、というより冷徹な氏の観察眼ですね。
第三者的な視線が貫かれていて、決して
「ほろ酔い加減で気持ちよく書いている」
という類のものではありません。
あくまで引き受けた仕事~義務を
プロフェッショナルにこなしていくという
仕事師’としての厳しさが感じられます。
最後の演歌師と呼ばれた桜井敏雄との共演。
大先輩へのリスペクトが感じられますね。
この ”東京節” は若き日のなぎら氏のアルバムにも収録されていますが
実に多くのカバーを産んでいます。
一連のクレージー映画の最終作での
植木等バージョン。
歌詞はリメイクされていますが
植木節を存分に楽しむことが出来ます。
(俺のことをいつも能天気で底抜けに明るい男だ)と思っているのかもしれないけど、それは「作っている」んだよ。
といったニュアンスの
植木等ご本人の発言を評伝本で読んだことがありますが
なぎら健壱にも共通するものを感じますね。
さあ、また冷えたビールを片手に
程よい塩梅に仕上げられた
エッセイの数々を読み返すことにしましょう。