こちらの2本は
どちらも1931年に公開された
”犯罪王リコ”
”民衆の敵”
いわゆる暗黒街もの~ギャングの闘争、警察との攻防を描いています。
この僅か数年前までは
まだサイレント映画の時代だったわけですが
音がつきますと、カーチェイスや拳銃の撃ちあいのシーンなど
迫力が出ますからね。
以降、この手の作品が続々と製作されていくことになります。
”犯罪王リコ”の主演
さて、共通点がありますね
両者に。
二人とも小柄なんです。
ですんで必然的に、いつも相手を見上げるようになります。
ガタイでは負けてしまう。
そこで絶対、視線を逸らさないんですね。
もう気合一発です。
(あるいは交渉の場を着席スタイルにするとか。身長差を感じさせないように)
セリフも非常に威圧的です。
常時、”舐められてたまるか、この野郎” の
気迫で相手を追い詰めていきます。
そして二人とも、その世界で
どんどんとのし上がっていくのですが・・・
詳しくは本編をどうぞ
ご覧くださいませ。
どちらも80分程度の長さなので
気軽に観れると思います。
ところでこの2本、単にギャング映画の嚆矢
というだけでなく
印象に残るシーンがそれぞれに散りばめられていて
それが見物です。
ロビンソンの凄まじい演技力
”民衆の敵” のキャグ二ー
神がかり的なパフォーマンスです。
身長差ということでいえば
主役が登場する以外の場面でも凝った撮り方をしていたりとか。
(キャグニーの弟は背が高いのですね。お母さんを見下ろすようなショットを挿入することで、兄弟の対比を描いています)
それにしても、トーキーになってから僅か数年で、
ここまでの高みに達していたということには
驚くばかりであります・・・