タイ音楽のレーベルで
ベーカリー・ミュージックというのがありまして。
1990年代中頃からおよそ10年間、
多くのアーティストを輩出したんですね。
カラーとしてはタイ版AORというか
洗練された ”街の音楽” といったところ。
当初はスタッフもごく少数のインディーズだったんですが
才能溢れた逸材が集まっていて
どんどんメジャーになっていきました。
ビデオクリップ作成にも積極的で
今観ても楽しめる映像をたくさん残しています。
その後の独立系レーベルに道を開いた
パイオニア的な存在でもありますね。
アイドル系~ローティーンポップの傍系レーベル含めて
キャッチ―な曲が多数、バンコクのCDショップを周って
コレクトしてましたねえ、当時。
冒頭の画像は設立10周年(実質的な活動終了)として
2004年に発売されたプロモクリップ集。
歌詞や各曲の参加ミュージシャンのクレジットもしっかり
掲載されている丁寧な仕上がり、
2セット組で計50曲が収録されています。
(それでも、レーベルのヒストリーとしてはほんの一部ということですけれど)
この時期はアジア経済通貨危機もあったりしたんですが
昨今の世相と比べると
明らかに ”良き時代” だったと思いますよ。
(こういう安直なステレオタイプな言い方は宜しくありませんが)
ただ、一部のアーティストを除いて
タイ全国で人気があった、というわけではないですね。
あくまで ”都会のお坊ちゃま&お嬢様による、彼等のためのサウンド”
という側面がありました。
だからタイ人の(ある程度の年齢の)知り合いの反応が
人によって全然違います。
目を輝かせて、”あー、この曲好きだったんだよ、学生の頃”
という人も居れば、
”気取ってるねえ、カッコつけてるねえ、曲変えてよ”
というケースも多々。
まあ、佳曲&凝った映像が多いのは確かなので
私は今でもよく聴いたり観たりしますよ。
それに見合う、スイートな想い出に乏しいのが
玉に瑕ですけれど・・・