バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

人間と異形の生物が一緒に暮らす街、愉快なオフビート漫画 ”栞と紙魚子”

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天才、偉人、空前絶後の漫画家

諸星大二郎のホラー・コメディ。

少女誌への連載ということで

私はリアルタイムでは読んだことはなかったのですが

(1995年から休載期間を挟みながら断続的に掲載)

これは最高に楽しいシリーズですね。

 

舞台は東京近郊の架空の町

”胃の頭町”

(井の頭ではありません。明らかにモデルにはなっていますけれど)

 

二人の女子高生が主人公なのですが

その町では人間以外の様々な生き物

~みな、強力なキャラクターの持ち主

も暮らしていて、ある種の共存社会が成立しています。

 

しかし、といっても

とんでもないトラブル続出というわけで

毎回ごとの読み切り構成。

 

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このシリーズの魅力は

”ズレ” なんですね。

登場する人物(他の生物も含めて)が

すべて、どこか調子が外れていて

会話のやりとりが噛み合わない。

各自がみな、自分の思い込みで勝手に動いている

という我儘ぶりが最高です。

 

往年の名作、

エコエコアザラク” (古賀新一)に

ちょっと似ているタッチも感じられます。

 

あと、異世界に繋がってるんですね

この町は。

路線バスに乗っていると、別の惑星のような空間に着いてしまう。

あるいは過去の時代にタイムワープしてしまうとか。

諸星ワールドを存分&気軽に

堪能できる逸品です。

 

テレビドラマ化(2008年)もされたようですが

原作のもつオフビートな感覚を再現するのは

難しかったのではないでしょうか。

私は未見なのでよくは分かりませんが・・・

 

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チラリと映像、見てみましたら

配役がピタリというのがありました。

井上順、それから

 

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その妻の役で

関根恵子のご両人は

漫画のもとのイメージにとても近いですね。

 

えっ、奥さんの顔がデカすぎるって?

ええ、この奥さんは人間ではないんですね。

(必要なときには変身もするのですが、普段はこの大きさ)

 

面白そうでしょ?

 

是非に原作をお読みくださいませ、

主人公の二人、栞と紙魚子も美少女で

(しかし、性格と行動は超すっとぼけ&大胆)

可愛いですから。