1972年に開催されたミュンヘンオリンピック
各競技で一番印象に残っているのが
松平監督率いる男子バレーボールチームの優勝。
当時はテレビで ”ミュンヘンへの道” という
アニメーションと実写パートを組み合わせていた番組があって
盛り上がっていたんですよ。
私はそれほどスポコン系の番組に関心なかったんですけど
これは毎週見ていた記憶があります。
主題歌のシングルレコードも買いましたね。
熱い熱い歌詞は、阿久悠ですね。
大古、横田、森田、南、猫田・・・
半世紀経った今でも選手の苗字
出てきますねえ。
この大会は
”黒い九月事件”~
選手村に侵入したパレスチナ組織によって
イスラエルの選手団のうち11名が命を落とすという、
ショッキングな事件が発生したことでも知られています。
大会自体は中止とならず、一時中断のあと再開されましたが
イスラエルは報復作戦をその後
世界各地で展開していくことになります。
関連する書籍や映像作品のなかでは
よく知られているでしょうか。
こちらは
”羊たちの沈黙”で知られる
トマス・ハリスのデビュー作、 ”ブラック・サンデー”(1975年)
2年後にジョン・フランケンハイマー監督によって
映画化されています。
ベトナム戦争の体験によって屈折した心情を持つに至った
大観衆の集まるスーパーボール会場でのテロ行為を計画します。
爆弾を運ぶ輸送機関はなんと
巨大飛行船。
ロバート・ショウらは
その阻止に全力を尽くします。
自ら飛行船を操縦するブルース
遂に飛行船は会場に到着、
果たして大惨事は防げるのでしょうか・・・
ということで詳しくは本編にてお楽しみください。
特撮のシーンは、今のCGを見慣れている眼からすると
ちょっと稚拙に感じられるかもしれませんね。
演技合戦。
そして冷徹な女性コマンド役を演じるマルト・ケラーが素晴らしい。
(ブルースは精神的に脆いところがあり情緒不安定なのですが、マルトは計画完遂に向けて迷いがありません)
フランケンハイマー監督は
本作の前に ”フレンチ・コネクション2” を撮っていますので
まさに脂がのった時期だったのでしょうね。
日本でのロードショー公開は
当時、治安上の理由で見送られたようですが
三人の芸達者の演技を見るだけでも
一見の価値ありですよ。