STORMY WEATHER~ストーミー・ウェザー
というタイトルの
1930年代に作られたスタンダードナンバーがあります。
あなたがいなくなってから
心には雨が降り続いている
どうして空に太陽が輝かないのでしょう
私のハートは荒れ模様
・・・
といった、恋人が去ってしまった心情が
センチメンタルに綴られている
一大バラード。
ビリー・ホリデー
エタ・ジェイムス
ビリー・エクスタイン
など、多数の著名な歌い手に取り上げられていますが
もっともポピュラーなのは
リナ・ホーンのバージョン。
Stormy Weather Lena Horne
1943年に製作された同名映画のワンシーンですが
当時20代半ばのホーン、美しいですね。
この映画はキャブ・キャロウェイ、ファッツ・ウォーラー、ニコラス・ブラザース
などの芸達者が顔を揃えていて、彼らの至芸を満喫することができる
実に楽しい作品です。
同じくブラックキャストの ”キャビン・イン・ザ・スカイ”(1943年)
との2本立てを、40数年前に名画座で観た記憶があります。
(勿論、学校をサボってね)
さて、この ”ストーミー・ウェーザー” というナンバー
歌詞の内容からして、
どうしても切々と歌いあげるスタイルになってしまい
歌手が違ってもほぼ同じような展開になりがち。
この曲を抜群のソウルマナーでカバーしたのが
ウィリー・ハッチ。
70年代から80年代にかけて
10枚ほどアルバムを発表していますが
大きな商業的成功とは無縁のアーティストでした。
Stormy Weather Willie Hutch
目が覚めるような
とはまさにこのこと。
なんという歌唱力、そしてアレンジの素晴らしさ!
何回リピートしても飽きませんねえ。
この曲のあまたあるカバー中、文句なしの私的ナンバー1。
リナ・ホーンも多分
同意してくれるのではないかなあと。