バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

若い頃の軽さが、年月を経て滋味豊かなサウンドに~キャリア50年のアメリカ

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アメリカ、という実にシンプルなネーミングの

バンドがあります。

結成が1970年なので、既に半世紀以上のキャリア、

当初は

ジェリー・ベックリー

デューイ・バネル

ダン・ピーク

の3人組でスタート。

 

いきなり、”名前のない馬”という超特大ヒットが飛び出して

以降数年間にわたってアルバム&シングルともに

ベストセラーが続きます。

 

TIN MAN

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サウンドはアコースティックで

非常にソフトというか軽量級ロック。

爽やかで確かに聴きやすいんですけれど

ちょっとパンチに欠ける(表現が昭和的だな)というか

正直、耳から流れてしまうようにも感じましたね

なので、オリジナルアルバムではなく

ベストアルバムを買っただけでした

当時は。

 

そのうちにダン・ピークが脱退し

残された二人はデュオとして活動を続けていくのですが

1,2曲のヒットを別にして

商業的には大きく下降、

”地味なべテランアーティスト”となって

スポットライトを浴びることも無くなります。

 

彼等は特に際立った歌唱力があるというわけではないのですが

(それが70年代には物足りなかった)

逆説的に言うと、それ故に年を取っても

ボーカルの衰えが目立たないという

アドバンテージ?になっています。

 

SLEEPER TRAIN

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もともとシャウトして歌い上げるというスタイルではなく

じっくり物語を聞かせるという語り口なので

むしろ年齢を重ねることによって

作品に深みが感じられるようになりましたね。

 

1994年の ”アワーグラス”

2007年の ”HERE AND NOW”

といったアルバムは、佳曲満載の好アルバムに仕上がっています。

 

WALK IN THE WOODS

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う~ん、いいねえ。

私はおよそ誰であれ、年を(相当に)取ってからよりも

若い時分のほうが優れた作品~文学、音楽、映画・・・

を残せるケースのほうが多いと思っているのですが

その数少ない例外ですね。

 

きっと二人の人間関係のバランスが良いのでしょうね。

これだけ長いキャリアがあると

どうしても反目というか、力関係が崩れたりしますけれど

アメリカはどのアルバムでも両者の作品が

バランスよく並んでいますし。

 

継続は力なり、ですねえ。

 

CHASING THE RAINBOW

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