バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

1963~1964 女優 左幸子の濃密な2年間

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亡くなって20年ほど経ちますが

左幸子、という女優がいます。

 

50年代から映画出演をしていますが

キャリアの最盛期は60年代。

日本の映画史に残る作品群に

立て続けに登場します。

 

飢餓海峡” 監督/内田吐夢

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全編3時間という超大作。日本各地で大々的なロケを行っており、スケールの大きい作品。出演シーンは前半のみですが、主演の三国連太郎に一歩も引けを取らない存在感があります。(後半パートはよくある警察チームVS犯人ドラマなので、やはり左と三国の絡みがある中盤までが見どころ)

 

予告編

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”にっぽん昆虫記” 監督/今村昌平

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東北の寒村に産まれたある女性の「ど根性一代記」。まさに今村監督好みの題材で、熱気ムンムンの123分。左は娘時代~中年~老け役を一気に演じ切り、そのテンションの高さに圧倒されます。

 

予告編

www.youtube.com

 

”彼女と彼” 監督/羽仁進

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こちらはガラリと作風が変わり、東京の団地で暮らす主婦役。(インテリタイプの夫には岡田英次)取り立てて不満の無い日常が、徐々に崩壊していく過程が斬新なタッチで描かれています。

 

予告編

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この3本は国内外で高い評価を受けたのですが、

左幸子の圧倒的な演技力に唸るばかりです。

(撮影も素晴らしい。飢餓海峡/仲沢半次郎 にっぽん昆虫記/姫田真佐久 彼女と彼/長野重一

 

70年代以降は私生活のトラブルや体調の悪化に悩まされ

活動のペースが鈍りましたので、

他の女優さんと比べて見過ごされがちですが

この3作品での輝きはまさに日本映画の宝。

未見の方は是非、本編をどうぞ。

 

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