バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

明智小五郎シリーズとサイコを足して2で割ったような ”DEMENTIA 13”

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1963年製作の "DEMENTIA 13”

監督はかのフランシス・フォード・コッポラ

撮影当時は若干24歳。

 

ホラー、というジャンルになっていたりしますが

別に幽霊が出たりするわけではないので

(それっぽいムードは充満しています)

スリラー、心理サスペンスの範疇ですね。

 

アイルランドの豪邸に住む一家。

母親、長男、次男、三男

という構成ですが、

次男の失踪(実際は持病で突然死)をきっかけに

お話が転がり始めます。

 

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実は一家にはもう一人

キャサリンという子供が居たのですが

10年前に亡くなっていて、

その記憶は残された家族に

暗い影をもたらしています。

 

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(母親、長男)

 

屋敷内や周囲で

不可思議な出来事が続き

母親は見知らぬ男に斧で襲われたりします。

 

死んだはずのキャサリンが生き返ったのか?

それとも誰かの仕業なのか?

 

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その謎を解くのが

かかりつけの医者(パトリック・マギー)

ちなみにキューブリック

時計じかけのオレンジ” で

強烈な演技をしていた人ですね。

(この作品では残念ながら、それほど目立たず)

 

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まあ、真犯人は誰かといっても

長男か三男のどっちかしか

居ないわけですが。

 

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(三男)

 

謎解きの面白さはありません。

というのも、キャサリンが生きている時の

回想シーンがあって、観ている側には

一発で誰が犯人だか分かってしまうのですね。

(しかも最初のほうに登場する)

 

草むらから人間が飛び出してきたり

人形がカタカタ動きだしたり

といったシーンもあるのですが

およそ怖い!といったようなレベルではありません。

(一部、”シャイニング”  のようなインパクトの強い場面もあるのですが、それはコッポラではない別人が後撮りで追加した)

 

というわけで、全体としては今一つの出来。

イデアとしては ”サイコ” を踏襲というか

そのまま頂いちゃったりしていますし。

しかし、ところどころ(恐怖心を煽る場面ではないパート)で

後のコッポラの才気を感じさせるシーンもチラホラ。

 

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どちらかというと

前半部分が好調なので

(古城のロケは良い効果が出ています)

まあ、途中まででも

観て損はないかも・・・

しれません。

 

予告編

www.youtube.com