バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

WHERE IS ノストラダムス NOW ?

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ある程度(というか、かなりシニア)の年齢の人ですと

ノストラダムスという名前に覚えがあるのでは?

 

そう、1970年代に

ノストラダムスの大予言

という新書が大ベストセラーになりましたね。

 

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私も当時、小学生だったかな

買いましたよ、この本。

 

1999年に、空から恐怖の大王が降ってくるとか。

なんだ巨大隕石か? 宇宙人の襲来か? それとも恐ろしい疫病か?

クラスの皆でワイワイやったもんです。

テレビでも色んな特番、この頃はてんこ盛りでしたね。

 

ちょうど同じころにやはり

ベストセラーになったのが

小松左京の ”日本沈没

映画&テレビ化もされました。

(映画は2000年代にリメイクされましたが、ちょっとね・・・今度、またテレビ版やってるみたいですね)

 

こういった系統ですと

私は70年代には、西村寿行にハマりましたね。

鼠とかバッタの大群が日本を襲うという。

結構、際どい (大人の)シーンもあったりして。

子供だからドキドキしながら読んでましたっけ。

 

「災害パニック」ものって、世の東西問わず

数が多いですよね。

その過程を克明に追うタイプと

災害が起きた後の世界を描くものに

大別されると思いますが。

 

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この手の作品で

私が一番印象に残っているのは

”大滅亡~ダイオフ”(田中光二 著)

という一冊。

 

日本沈没とほぼ同時期に発表されていますが

よりモダンで映像的といったらいいか。

近未来(1990年代)の日本が舞台なんですが

食糧危機により、代用食が一般的となり

間引きや安楽死が秘かに進行していく

というディストピアワールドが展開していきます。

 

総理大臣やら自衛隊やら知事やらが

多数入り乱れて「ドタバタ」したり、

やたらに科学~専門用語が頻出する「理系ノベル」ではなく

あくまで個人の行動&心情(の揺れ)がメインなので

読み易いんですね。

世相が悪化していくにつれ、主人公や周囲の人間は

怒り、怯え、そして諦めの境地になっていく。

そのザラザラ感がGOODでした。

 

長く絶版のようですけれども

機会がありましたら是非。 

 

映画化しても面白いと思いますよ。

災害シーンをメインにしないで

(というか無くてもいい)

悲鳴とか阿鼻叫喚もゼロ。

 

静かに世界が閉じていく

名作 ”渚にて”(1957年)の新世紀版として

製作してみたら

いかがでしょう。

 

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