バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

妻から夫~女から男への、最後のラブレター三通

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中島らもの著作はかなり読みました。

(膨大な数になりますので全部ではありませんが)

エッセイはお手の物で、字数に合わせてピタリと決める。

小説では長編よりも短編に好きな作品が多かったですね。

(長くなると、ご本人が執筆途中で飽きてしまう&ダレてしまうような気が・・・)

 

氏は52歳の若さで亡くなりますが(泥酔後、階段から転落し脳挫傷

”らも 中島らもとの三十五年”(中島美代子/集英社

は長年連れ添った奥さんの回想記。

 

天才肌のらも氏は相当にぶっ飛んだ私生活を送っていたのですが

この奥さんが居たからこそ、長生き(一般的にはそう言える年齢ではないのですが)

をしたのだろうな、ということがよく分かる一冊です。

 

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スラリとした長身が印象的だった

俳優の古尾谷雅人

年齢を重ねるにつれてコミカルな役柄もこなすようになり

新境地を切り開いていたかのように思えたのですが・・・

 

自宅で自死したのが45歳、

”最期のキス”(古尾谷登志江/講談社

は夫人(鹿沼えり)の著作ですが

プライベートな部分が赤裸々に綴られていて

読むのが苦しくなってしまう箇所もあります。

 

繊細で内面に籠る気質の夫に

壮絶なまでのバイオレンスを受けるのですが

裏返せば、絶対的な信頼(甘え、とも言えますが)を

妻に置いていたとも言えるのかもしれませんね。

 

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荒木経惟アラーキーの陽子夫人は

42歳で亡くなりました(子宮筋腫)。

アラーキー作品の被写体としても多く登場していますし

夫との共著が何冊かあるのですが、

”愛情生活”(荒木陽子/作品社)は

生前に書かれたエッセイを纏めたもの。

 

これまた一癖も二癖もある夫との日々を

ユーモラスに書き記しています。

 

三冊に共通するのは、「女性の器の大きさ」でしょうか。

初めの出逢いの頃は、男が猛然とアタックしてゴールイン。

しかし時が経過すると旦那の関心はキョロキョロあちこちに・・・

 

笑って済まされないような出来事も多々あるのですが、

結局は女性の掌の上であたふたと踊っているだけなのかも

しれませんね、男という生き物は。

 

Husbands And Wives   Ringo Starr

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