これは良作ですね、見る価値のある一本です。
監督はサム・ライミ
音楽にダニー・エルフマン
配役はビル・パクストン、ビリー・ボブ・ソーントン、ブリジット・フォンダ
という強力布陣。
オハイオ州の田舎町に暮らすビル&ブリジット夫婦
夫は極めて真面目で常識的な人物、
妻は妊娠しています。
ビルと兄のボブ、仲間の一人は
墜落した小型飛行機の機体から大量の紙幣を発見、
山分けにします。
ビルはほとぼりが冷めるまで、手をつけぬようにと
忠告するのですが、思わぬ大金を手にしたことにより
兄や友人、妻とのあいだに行き違いが起こり始めます。
警察も動き始め、ビルとボブは動揺を隠せません。
果たして彼等は秘密を守り通すことが出来るのか・・・
筋立てからすると、サスペンス&クライムものとして
いくらでも盛り上げて撮れるはずなのですが
(サム・ライミならお手の物でしょう)
敢えてその路線は取らず、いつもは映像以上に大活躍の
エルフマンの音楽も控え目です。
主軸は兄と弟の確執と思いやりが交差するシーンで、
兄役のボブ・ソーントンが抑えた&しかし素晴らしい演技を連発。
屈折した心情を見事に演じ切っています。
1998年の製作ですが、もしヒッチコックやビリー・ワイルダーが
生きていたらどんな仕上げにしたでしょうね。
原作は1993年に発表されていて、日本語訳も出ています。
(扶養社ミステリー文庫)
600ページ近い長さなのですが
作者のスコット・スミスは著作時20代の若さでした。
タイトル通り、ストーリーの進行はシンプルです。
(勿論、単純なハッピーエンドにはなっていませんが)
コーエン兄弟作品のような「ねじれにねじれて&絡まって」
ということもなく、バイオレンスシーンも控え目なので
観易い(しかしお手軽では決してない)一本ですね。
どうも洋画はなあ・・・
という方にもお勧めの
手堅い122分であります。
予告編