バンコクマインド

タイの過去現在未来と音楽映画書籍の旅

一人で出来るもん! S&G解散後のアート・ガーファンクルの軌跡

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ポール・サイモンの横にポーカーフェイスで立っていて、

時々綺麗な声でリードボーカルを歌う人~

そんなイメージが強いように思われる

アート・ガーファンクルのソロ時代を簡単に振り返ってみようかと。

 

1970年にサイモンとガーファンクルが(実質)解散した原因に

アートの映画熱が挙げられることがあります。

レコーディングよりも撮影を優先させたという。

 

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実際、この時期のアートは

”キャッチ22”

”愛の狩人”

といった作品で、かなり大きな役を与えられています。

 

愛の狩人

www.youtube.com

 

最初のソロ・アルバム ”天使の歌声” は

解散からかなり時間の経った73年の発表。

様々なタイプの作品が収録されていて

アートのボーカリストとしての才能が光る良作です。

 

セカンドソロの”愛への旅立ち”(75年)は異色作で

アートのアルバムとしては珍しく

官能的な香りが濃厚な ”夜の” アルバム。

個人的には大の愛聴盤です。

 

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三作目の ”ウォーターマーク” は

シンガーソングライターのジミー・ウェッブ作品集。

前作とは一転して、アコースティックなサウンド

S&G時代のファンからは好評でした。

 

この辺りまではセールスも好調だったのですが、

続く ”フェイト・フォー・ブレックファースト”(79年)

から内容的に ↓ 方向へ。

私はアートのファンでしたので、アナログ(LP)盤はすべて

買っていましたけど、「あらー、ありきたりになってきてるなあ」

と正直がっくり。

はっきり言って安直なAOR路線の匂いがプンプン・・・

 

以降は、恋人(女優のローリー・バード)の自殺や

自身の喉の不調などもあって

アルバムの制作ペースもスローに。

シングルヒットも出なくなります。

 

Perfect Moment

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純粋なソロ作ではないのですが

2002年の "Everything Waits To Be Noticed" では

珍しく曲作りにも積極的に参加、

好盤に仕上がっていました。

この路線をもうちょい、続けてもよかったかもですね。

 

盟友ポールとは

ライブやテレビ出演、アルバムへのゲスト参加などはあるのですが

S&Gとしての新作は遂に発表されませんでした。

(シングルで一曲のみあり。アルバムも途中まで制作されていましたがボツに)

 

こうして振り返ってみると、最初の2作が

アートのボーカルを堪能するには最適ですね。

曲単位では、”Traveling Boy" がベスト。

アート個人にとっての ”明日に架ける橋”

といえる作品です。

 

ラリー・ネクテルのピアノ

ハル・ブレインのドラムス

ラリー・カールトンのギターも最高。

 

シングル・バージョンやベストアルバムでは

それらがかなりカットされているので

オリジナルのアルバムテイク(ファーストソロ収録)で

聴きましょう!

 

Traveling Boy

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