これはですね
観るのが、
観続けるのが相当に辛い作品です。
フランスの片田舎に暮らす少女の物語なんですが。
彼女(ナディーヌ・ノルティエ)は
父親から暴力をふるわれ、
学校では教師から目の敵にされ、友達も一人も居ません。
日々の生活に何一つ、喜びを見出せることが出来ないのです。
遊園地でほんのひと時、楽しい時間を過ごすこともあったのですが
彼女の孤独と絶望感は頂点に達します。
自分の存在価値は
他人からの蔑みと憐みにしかなく
それ以外の人間からは完全に無視されています。
まるで動物のように、いや動物以下かもしれない・・・
ラストシーンは強烈です。
救いの手は、差し伸べられません。
(哀しい終わり方の映画というのは多数ありますけれど、それらのなかでも群を抜いているのでは?)
また、前年の ”バルタサールどこへ行く” と同じく
動物虐待(特に現在の感覚では)の場面がかなりしつこく出てきますので
気分を害する人も多いかと。
いかにもブレッソンらしいといえば、そうなのですが。
A Scene From Mouchette by Robert Bresson
勿論、映画の世界の話で
ブレッソンが実際に
少女を虐めているわけではありません。
観終わったあとに、ドーンと暗い気持ちになった場合は
メイキング映像が残されていますので
口直しに覗いてみるのもいいかもしれませんね。
(無理やり泣かせているのではなく)
(撮影中に寛ぐブレッソン&ノルティエ)
さて、もし日本で少女役をやるとしたら誰が居るかな?
”生きる”で好演した小田切みきはどうでしょうか・・・