まるで、J・POPやフォークソングのような邦題が付いていますが
"DAVID AND LISA"という1962年製作のアメリカ映画。
(監督/フランク・ペリー)
母親に連れられて、全寮制の特別支援学校にやってきた
デイヴィッド(ケア・デュリア)
彼はほんの少しでも他人に触れられると
激しいショック症状に陥ってしまいます。
潔癖症である彼は頭脳明晰。
学校の仲間と打ち解けることもしません。
そんな彼に、一人の少女リサ(ジャネット・マーゴリン)が近付いてきます。
リサは通常の会話が難しく
単語を羅列するか、筆談が周囲とのコミニュケーション方法です。
最初は警戒や戸惑いを隠せなかった二人ですが、
少しづつ信頼と愛情が育まれていきます。
デイヴィッドの閉ざされた心(親との関係性が良くなかった)は
徐々にほぐれていき、学校の教師や学友とも交流が始まります。
しかし、活動的になっていくデイヴィッドが自分から離れていってしまうのでは
という不安に駆られたリサは、発作的に学校を飛び出してしまいます。
懸命に彼女の行方を捜すデイヴィッド、
実社会をほとんど知らないリサは
果たして無事でいられるでしょうか・・・
非常に生真面目、丁寧に撮影された佳作で
アカデミー賞やゴールデングローブ賞など多数のアワードで
受賞&ノミネートされました。
主役のデュリア(後の ”2001年宇宙の旅” の船長役)と
マーゴリンの演技が素晴らしく、デュリアがマーゴリンの文法で
会話を進めるシーンが印象的です。
LISA so warm so nice no snow no ice
DAVID warm and nice no snow no ice
LISA no ice david david here you are come away far or far
DAVID someday we'll go away someday to the clean sand...
リサはデイヴィッドと二人で
外の世界へ行きたかったのですね。
単なるハートウォーミング路線でなく
デイヴィッドが見る悪夢のシーンなども
工夫が凝らされています。
惜しむらくは、リサが学校を飛び出して
街を彷徨うシーンがやや弱く、
クラスメートの描写が通り一遍になってしまっているのも
残念なところ。
個性の強いキャラクターが揃っているので、彼らのエピソードを
盛り込むことが出来れば、話の展開に広がりが出たように思います。
なので、連続テレビドラマにしてみても面白かったかもしれませんね。
(1998年に単発の番組としてリメイクされていますが、オリジナル版に忠実な構成)
地味な作品で、今ではあまり語られることもないような気がしますが
良い映画ですよ。
マーゴリンはウディ・アレン作品など に出演していますが
50歳の若さで亡くなったのが惜しまれますね・・・
Take The Money And Run (1969) with Woody Allen