私の子供時代には
映画は気楽に楽しめる娯楽ではありませんでした。
動画のチャンネルや配信サービスは勿論のこと
レンタルのDVDやビデオも存在せず、
テレビ(はありましたが)を、家庭で録画するということも
出来ませんでしたので。
なので、映画館に行くことだけが唯一の手段だったわけです。
(テレビは家庭に一台だけ、自分の見たい番組が見れるとも限らないので)
”妖怪大戦争” はその少ない機会のなかでも
特に印象に残っている作品ですね。
(同名のタイトルで後に何本も作られていますが、あくまでオリジナル版の話ね)
だっていきなり日本じゃないんですよ、場面が。
古代バビロニアの妖怪がですね、蘇って
江戸時代の日本に来ちゃうんですね。
で、どんどん人間に憑依しちゃうんです。
まずい、このままでは日本は乗っ取られてしまう・・・
そこで日本の妖怪チームが健気に立ち向かうのですね。
もう造形が最高です。
しかし日本の妖怪は優しくて
情け容赦の無い
バビロニア妖怪に適わないのであります。
なにしろ巨大化するは
分身の術を使うはで、無茶苦茶強い。
ところで、この顔かたちを見て
気付きません?
そう、かの大魔神にそっくりですよね。
それもそのはず、本作の監督(黒田義之)は
大魔神シリーズで特撮パートを担当した人だったんですね。
どうしたもんかのう・・・
悩む日本妖怪チーム。
最終的には敵の弱点を見抜いて
目出度く勝利するのですが、
覚えていたのは、そのラストシーン
日本の妖怪たちが歓喜のあまり、踊りまくって
(空中を)練り歩くところでした。
(火の玉もFEEL HAPPY!)
視覚的な強烈さとか派手さは
後年のリメイク版の方が上なんですが
このまったり感というかのんびり感(結構間抜けなやり取りが多い)こそが
オリジナルバージョンの最大の魅力。
未見の方は、ポップコーンじゃなくて
煎餅片手に是非どうぞ。
妖怪大戦争(1968年) 予告編