戦前の日本喜劇映画の巨匠
齋藤寅次郎監督の ”子宝騒動”(1935年)
確かにチョビ髭やヘアースタイルの見た目がそっくりです。
既に子沢山の家庭なのですが
奥さんはまたまた妊娠中
突然陣痛が始まり、夫の小倉は産婆さんを呼びに出かけます。
さてここからがドタバタの始まりで
小倉の行くところに騒動あり。
てんやわんやの事態が続発します。
(台所が水浸しでプール状態、泳いで調理台に辿り着きます)
ラストの水田のシーンは圧巻で
小倉以下、多数の登場人物がかなりの長時間
それこそ全身泥だらけになって
駆けずり回ります。
この奮闘ぶりには
なんと生まれたのは三つ子。
今でさえ家庭内はてんやわんやなのに
これ以上子育ての苦労が加わるなんて・・・
小倉は失神してしまいます。
実はこの映画、当初のタイトルは ”産児無制限”
ひたすらに産めよ増やせよの当時の風潮をからかった内容だったのですが
お偉い筋から、注意(文句)が出たのでしょうね。
お国のために、立派な子供に育ててみせます!
という ”国策”エンディングになっています。
小倉繁は翌年、
清水宏監督の名作 ”有りがたうさん” に
ほんのワンシーンだけ出演、軽い笑いを振りまいているのですが
髭がないと、ちょっと同じ役者さんだとは思えませんね。
お笑い好きの方は、必見ですよ。
産児無制限、ではなくて
子宝騒動!
子宝騒動 子豚追跡~ラストシーン