戦前に、”有りがたうさん” ”按摩と女” ”簪”
などの傑作を残した
名匠清水宏監督の1953年度作品。
およそ取り上げられることのない映画ですが・・・
なかなかに素敵な佳品ですよ。
主演に池部良。
キャバレーのサンドイッチマンという
ちょっと珍しい役柄です。
共演に有馬稲子、こちらは靴磨きという設定。
迷子になってしまった少女の行方を捜すという
シンプルなストーリーなのですが
お母さんに小暮実千代(右)、お調子者の友人に沢村貞子。
落ち着きがない軽薄な中年男に森繁久彌
AT TODAY KNOW ME MORE SHOW
~後で飲みましょう
と、超いい加減な英語教室の教師にトニー谷
芸達者な顔触れの珍演が笑いを誘います。
(不二家のペコちゃんがチラリと映ります)
大々的に銀座界隈でロケが行われていて、
当時の東京の様子~街並みや人々の服装、飲食店のメニューなどが
垣間見えるのも楽しいですね。
戦後それほど間もない頃ですが
デパートやキャバレーラウンジはかなり華やかな雰囲気です。
(音楽は東京キューバン・ボーイズ)
シリアスな内容の映画が多かった時期でもありますが
こういう肩の凝らないタッチも良いですね。
構えずに観ることが出来ますから。
観終わったあとに
ホンワカした気持ちになれますよ。
大作、名作の類ではありませんが
(清水監督も軽~く、ご本人も楽しんで仕上げたのでしょうね)
お茶と甘いものと一緒に
機会がありましたら、是非に。